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アングル:環境破壊と温暖化のダブルパンチ、洪水に苦しむジャワ住民


[タンバックロロック(インドネシア) 1日 ロイター] - インドネシアの漁師、ミスカンさん(44)によると、かつて豊かな漁場だったジャワ海一帯は近年、漁獲高が落ち込み続けている。それに伴う所得減少の憂き目に見舞われた彼の窮状に追い打ちをかけているのは、海岸にある自宅を洪水被害から守るために多額の出費を強いられるという事態だ。

ミスカンさんは「陸地に住んで海で働くとすれば大変だ。でも、今は海で仕事をして、海で暮らしているようなものだからね」と自嘲気味に話す。

こうした水害は、人間の手による環境破壊と地球温暖化の双方が原因。ミスカンさんが暮らすタンバックロロックが直面している洪水との闘いは、インドネシアで最も人口の多いジャワ島の沿岸住民・数百万人が海面上昇によって受ける被害のリスクを象徴している。

タンバックロロックの洪水は非常に深刻で、ミスカンさんは海水の流入を阻止するために玄関の半分を土嚢で封鎖しているため、出入りには窓を使わざるを得ない。土をトラックで運んでくれる人を雇うため、約720万ルピア(500ドル)を支払う必要があり、近所の人からの借金を強いられた。「漁師をしているとお金は、なかなかたまらない」と言う。

今月2日から開催される国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)を前に、11月29日にはアジアや欧州各地で、政治指導者らに対し踏み込んだ温暖化対策を打ち出すよう求めるデモ行進が行われた。

特に多数の島で構成されるインドネシアは、約8万1000キロの海岸線で囲まれ、近隣のフィリピンなどとともに温暖化の被害を受けやすい。

また、高潮の流入を防ぐ効果があるマングローブの森は、インドネシアに世界全体の20%強が集中しているにもかかわらず、国内各地で漁業やエビ養殖、水田開発などのため伐採が進んでしまった。

政府は環境保護団体と協力し、マングローブの再植林や洪水の恐れのある場所から、住民を移住させる取り組みなどを急いでいる。

ただ、これらの住民の多くは貧しい漁師だ。自宅を去るのを嫌がるか、そうでない場合でも約1億4000万人の人口を抱えるジャワ島では、内陸部に新たな移住先を見つけるのが難しい。

タンバックロロックに住むある男性は「たとえ洪水(の恐れ)があっても、経済的な事情で、よそには行けない。ここにとどまる」と言い切った。

一方、洪水のひどさは孫が家の居間で泳げるほどだと説明した51歳の女性は、それでも住宅の水害対策に伴う借金の毎月の支払いは、銀行融資のおかげで緩和されたと述べた。

持続的開発を推進する非政府組織(NGO)「ビナ・カルタ・レスタリ財団」のフェリ・プリハントロ氏は、タンバックロロック周辺の海岸は、海面上昇と地下水のくみ上げによる地盤沈下の影響で、ことさら洪水や高潮に見舞われる傾向があると指摘した。

ジャワ島沿岸だけでなく、首都ジャカルタも市域の4割の標高が海面より低いため、洪水にもろい。こうした理由もあり、ジョコ大統領は8月、総額330億ドルにのぼる首都移転計画を発表した。

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