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東大「女子だけに家賃補助」は男子差別なのか

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ジェンダーに関する様々な問題について議論してきた一橋大学社会学部・佐藤文香ゼミ。『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた』は、29にのぼる問いへの答えをHOP・STEP・JUMPの三段構成で解説。今回は、その中の一つ「東大が女子学生だけに家賃補助をするのって逆差別じゃない?」についての議論を紹介します。

※本稿は佐藤文香・監修『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた』(明石書店)の一部を再編集したものです。


※写真はイメージです(写真=iStock.com/mizoula)

東大の家賃補助の中身

[HOP]

東大が女子学生への家賃補助を打ちだしたことは大きな話題になりました。大学がこうした措置を講じるのはそもそも進学する女性が少ないからであり、逆差別ではありません。

[STEP]

まず、東大の家賃補助とはどのようなものなのかをみてみましょう。2017年度に導入されたこの制度は、教養学部前期課程への入学から最大2年間にわたり、通学時間が90分以上の女子学生に月額3万円を支給するというものでした。2010年に女子寮の白金寮が廃寮となりかわりの寮がなかったこと、地方自治体の県人寮に男子限定のものが多かったことが導入の背景となっています。東大の学部生の男女比は2018年度に8:2(女性は19.5%)となっており、全大学の学部学生の男女比5:4(女性は45.1%)とは大きく異なっています(「学校基本調査」平成30年版)。東大の家賃補助とは、このような状況のなかで、多様な学生が活躍できる支援体制の整備の一環として導入されました。

「別に東大にこだわらなくたって女子大に行けばいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、その人が女性であるからというそれだけの理由で、本人の希望や意思を省みず女子大に行けというのは問題でしょう。「東大に入ってこの先生のもとでこんな研究をしたい」と思っている女性に、「女子大があるのだから東大にこだわらなくてもよい」ということは、その人の意思決定を重んじず、研究意欲を削ぐことになりかねません。わたしたちは、社会的な状況や要請によって個人の希望や意思が無視されることがあってはならないと考えます。

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