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民主と報道

 先週の政治界隈では「桜を見る会」についての報道が目立ったわけですが、この辺の影響はどうなのでしょうか。問題そのものへの評価では現・首相側に否定的なコメントが多いようにも見える一方、結果として与野党間の支持率に大きな変動をもたらしているかと言えば、必ずしもそうとは言えないようです。

 世の中には、報道されるものと、されないものがあります。あるいは、報道されるものにしても繰り返し大きく取り上げられるものもあれば、小さく一度きりの掲載に止まるものもあるわけです。例えば、地方の首長選でも民主党系諸会派(以下、民主党と略)が自民党候補に対抗馬を立てれば報道は熱を帯びますが、共産党以外の与野党相乗りでは結果が小さく報じられるだけで終わる等々。

 とかく野党には「何でも反対」のイメージがつきまといます。これはまさしく偏見というもので、実際は与党と共に歩む場面の方が多い、何ら反対することなく粛々と進められている物事も多いわけです。ところが、報道の量と実際の活動の量は比例しません。大きく取り上げられるのは専ら、民主党が与党に反対しているときだけ、です。

 この結果として、民主党には実態と異なるイメージが国民の間に植え付けられることになります。例えば地方でどれだけ自民党・公明党の推す候補に相乗りし「与党として」活動していても、その報道は小さく、まれに対立候補を立てれば大きく報道される等々、この結果として「自民党の対抗馬」のイメージを獲得しているのが、その一つです。

 国会でも(往々にして共産党を除いた)与野党間で争点のない問題は報道からスルーされる一方で、民主党が反対を唱えれば否応なしに報道機会は増すわけです。これでやはり「自民党の対抗馬」としてのイメージが作られる反面、「何でも反対」しているかのような印象もまた広まっていると言えます。概ね報道によって民主党が得をしている気はしますが、全てがプラスと言うほどでもなさそうです。

 「桜を見る会」の問題も然りで、これ自体は首相や与党関係者の緩さに擁護の余地はありません。だからと言って与野党の支持率に大きな影響を及ぼしていないのは、この問題を追及したところで国民の生活に何か良い影響があると感じる人がほとんどいないであろうことと、そういう問題に「ばかり」野党が熱心であるとの印象を振りまいていることが考えられます。

 もちろん、「桜を見る会」の問題以外にも国会議員の活動は多い、民主党議員だって「他の」問題にも少なからず取り組んでいることでしょう。ただ報道を通して政治を見る一般の国民にとっては、民主党が専ら「桜を見る会」問題の追及にばかり注力しているように感じられるはずです。これが与野党の支持にどう影響しているのか、報道の影響はプラスでもマイナスでもあります。

 我が国において政策的な誤りは政治家のキャリア上の躓きとならない一方、金銭や交友関係のスキャンダルは政治家にとって致命傷になります。「桜を見る会」の問題は(民主党政権時代もガバガバだった云々に目を瞑れば)首相や側近を追い落とす好機にもなるのでしょう。ただ与党のイメージダウンにつなげることこそできても、「ならば次は民主党に」と投票先を変える決意をする人が出てくるかと言えば、ここは別問題なのだと思います。

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