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BLOGOS編集部の再考を期待したい~コメント欄廃止でネットの特性を弱めるのは危険な方針

さて私・木走まさみずがネット言論空間に初参加したのは、いまは廃刊になりましたが「インターネット新聞JANJAN」の市民記者登録をしたのがきっかけでした、16年前です。

元朝日新聞社出身の編集長のもとで、「インターネット新聞JANJAN」に掲載される記事はかなり反政府・反権力的に偏向していました。

事実検証の弱い記事でも反権力であれば大抵掲載されていました。

編集部の言う事を聞かない不良(?)記者である私は、JANJAN編集部と衝突を繰り返します。

やがて私はJANJANのコメント欄や掲示板を通じてJANJAN編集部と激しく論争する、「反逆グループ」のリーダー(?)のような役回りになりました。

そして私は事実上締め出しにあいます、出入り禁止です。

そしてJANJANは実名以外のコメント欄書き込みを禁止いたします。

当時「市民メディア」などと呼称されていましたが、老舗のJANJAN廃刊は、後発の「オーマイニュース日本版」「ツカサネット新聞」に続いての廃刊となりました。

興味深いのは「オーマイニュース日本版」も廃刊までの道のりが、JANJANと酷似していたことです、やや荒れ気味のコメント欄を年俸3000万円で乗り込んだ鳥越俊太郎編集長の「鶴の一声」で匿名コメントはオミット、実名のみ掲示と制約を設けます。

利用者は激減、あっという間に「オーマイニュース日本版」は廃刊に追い込まれました。

さて、提携先のBLOGOSが、来年1月いっぱいでコメント書き込み機能を停止する旨通知しています。

編集部からのお知らせ
記事のコメント欄について
12月05日 12:49

BLOGOSでは、2020年1月31日をもって、記事ページのコメント書き込み機能を停止いたします。停止前のコメントは1月31日以降もPC版BLOGOSから閲覧できますが、新規の書き込みやコメントに対する支持、通報などは不可能となります。

また、これに伴い、記事ページではFacebookコメントプラグインを用いてのコメント機能を提供いたします。なお、議論ページについては従来通りご利用いただけます。

ユーザーの皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
https://blogos.com/

うーん、これはおそらくLINEの中でのBLOGOSの位置付けにも影響があるような大きな決断であります。

マネタイズ、収益性の面でBLOGOS単体ではあまり儲かってはいないのかも(失礼)知れませんが、母体のLINEの売り上げがしっかりしているので運営上の支障はないと思うのですが・・・

何か方針が変わったのかも知れません。

しかし、私の個人的経験で語らせていただければ、コメント欄の廃止はウェブサイトにとり、滅びの呪文”バルス”を唱えたようなものなのであります。

少しメディア論をお許しください。

広告市場規模ではネットの躍進と既存メディアの斜陽傾向が止まりません。

来年ネット広告はテレビをも抜いて広告媒体のトップとなることでしょう。

新聞やTVなど既存マスメディアはネットの媒体としてのその真の特性を理解していません。

ネットの媒体としての最大の特徴はそのインタラクティブ性にこそあります。

このSNSが普及した時代。情報発信はマス四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の独占物ではなくなりつつあります。

考えてみれば一般大衆に情報発信するマスメディアのジャーナリズムなど、教員や医師のように免許がいるわけでもなく、何の資格も必要としない職業なのであり、本来社会の誰でも情報発信可能なものである性質だったのが、新聞・ラジオ・TVと既存のマスメディアは、放送電波の免許や独禁法例外の新聞再販制度などで、幾重にも法により守られた選ばれた「特権階級」として情報発信を独占してきただけです。

旧来のメディアは限られた情報発信手段を独占し、新聞は「大衆」に情報を一方的に発行、TV・ラジオは「大衆」に情報を一方的に放送、情報は「特権階級」であるメディア・「ジャーナリスト」から一般大衆に一方通行に発信されるものでありました。

ネットの普及により情報の流れは革命的な変化をいたしました。

今日のネットの技術革新は、ネット上の情報発信を完全にインタラクティブな双方向性、すなわちネット参加者のすべての人に情報発信能力を与えたのです。

ネットメディアでは、情報発信者が起こした記事は、コメント欄やツイッターなどのSNS、ブックマーク、トラックバック、あらゆる手段で読者の意見がぶつけられていきます。

アマゾンの商品レビューしかり、ネットメディアの記事ページしかり、ネット情報は完全に双方向性を有しており、リアルタイムに会話的に情報のキャッチボールが可能となった初めての媒体、それがネットなのです。

ネットでは情報発信はマスメディアの独占物ではなくなった、唯一の情報発信者としての「特権階級」だったマスメディアのその独占的利権が、インターネットにより今崩れ去ろうとしているわけです。

このような大きな流れの中で、必然的に媒体としてネットが勃興し旧マスメディアが衰退しつつあるのであり、その広告市場が逆転するのも必然なのであります。

その流れの中でです。

ネットのメディアとしての最大の特質である、全員がリアルに情報発信可能である、「全員参加」型メディアを、コメント欄廃止という手段でその特性を弱めるのはサイトとしては危険な方針だと言わざるを得ません。

Facebookコメントプラグインを用意するとのことですが、これは過去の市民メディアが失敗してきたコメント欄実名制とニヤイコール、ほぼ同値の策ではないでしょうか。

BLOGOS編集部の再考を期待したいです。

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