中国の王毅外相が韓国を訪れ、文大統領をはじめ、要人と会談をしました。韓国側は王外相を手厚くもてなし、韓国側がこのきっかけをいかに重視していたか察することができます。
中国と韓国の関係はTHAADを設置した朴槿恵前政権以降、冷えた関係とされ、その後、文大統領が中国を訪問するも仕打ちのような対応でありました。朴政権も当初は中国礼賛であったものの途中から方針変更した経緯があります。文大統領にとっては任期の半ばを過ぎた今、アメリカとのディールから中国との交渉に本腰を入れる可能性は捨てきれないでしょう。
韓国政権は歴史的にもポリシーの安定性が欠如しています。例えば李明博政権時は当初、日本と比較的良好な関係だったのに2011-12年の韓国憲法裁判所での慰安婦、および徴用工判決で180度方向転換し、異様なまでの行動ぶりだったことを覚えている方もいらっしゃるでしょう。つまり、一つの政権でもある事象をきっかけに全く違う顔になれる日和見主義が朝鮮半島全体の特徴であります。
文大統領はこのところ、トランプ大統領との交渉に行き詰まっているのみならず、駐留米軍の費用問題でも頭を悩ませています。更に北朝鮮との関係で徹底的な制裁を前提とするアメリカに対してグレーゾーンにいることもアメリカがいら立つ原因であります。日本が決定した輸出管理規制にしてもGSOMIA破棄に対してアメリカが異様に反発したのも韓国のグレーなふるまいにくさびを打ち込むことが背景にあったわけです。
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- 2019年12月09日 10:43