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大牟田市、認知症対策で注目

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市の担当者は、「届け出がなくても、市民が自主的に路上で戸惑っている人に声をかけている。『愛情ねっと』に出る前に、すでに保護されるケースが多い。市民の声かけが浸透している」としている。

どうしてこんな「優しい」まちとなったのか。きっかけは、2000年に始まった介護保険制度だ。大牟田市では、「介護保険制度をより良いものにするため、事業者と一緒にサービスの価値を引き上げる必要がある」と考えた。その柱の一つが、認知症対策だった。「認知症の人とともに暮らすまちづくり」を宣言し、さまざまな政策に取り組んだ。

上述した「愛情ねっと」も、その一つだ。さらに、注目すべきは、住民が日常的に、模擬訓練を行っている点である。

その訓練とは至ってシンプルだ。1人が「行方不明者」の役になり、市内を徒歩や電車で動く。通りかかった住民が声をかける。こうした訓練は、2004年にある校区で始まり、10年には全校区に拡大した。昨年は約2600人が参加している。こうした日常の訓練こそが、地域全体での見守りにつながる。

▲写真 模擬訓練の様子 提供:大牟田市保健福祉部

その取り組みが今、花開いている。「困っている人に声をかけやすくなった」と評判上々だ。

全国では、認知症による行方不明者が深刻な問題になっている。去年は、前年比1064人増の1万6927人と過去最高を更新した。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されている。それだけに対策は急務だ。「大牟田方式」に関しては、全国各地から視察が相次ぐ。

大牟田市は日本有数の炭鉱の街として栄え、人口は昭和30年代には20万人を超えていた。しかし、人口は減少の一途をたどり、現在では12万人を下回り、高齢化率も36%を超える。「全国よりも、高齢化が20年先に進んでいる」状況という。課題が山積する状況下で、認知症対策では先手を打った形だ。

決して派手な政策ではない。ただ、認知症になっても、住み慣れた家や地域で安心して暮らしたい。そんなまちづくりこそが今、求められている。大牟田市は課題先進地と言えよう。

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