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あなたは正しく理解している?“アナ雪2”のPRをめぐってディズニーが炎上した「ステマ」とは

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「一定の法規制も必要ではないか」



 上記のようなケースはいずれも違法ではなく、境界線も明確ではないが、「広告主がやるのはリスクだ」と徳力氏は話す。ディズニーの本拠地である米国では、ステマのような行為は法規制の対象となっている。一方、日本においてはステマが違法行為ではないのが現状だ。IT関連の問題にも詳しい深澤諭史弁護士は、「悪質なケースでは商品・サービスの不当表示などを取り締まる景表法の適用もありうるが、ステマそのものの違法性を問う法律はなく、今回の件も映画(商品)について嘘は言っていないので違法性は問うことは難しい」との見解を示す。



 徳力氏は「ペニオク問題や食べログ問題など、日本ではステマ騒動が10年くらい前からずっと続いているが、なかなか無くならないのは法規制がないことも背景にある。もちろん企業がやるべきことではないが、“優良誤認”や“有利誤認”のような形で消費者を騙す行為でなければ、広告であることを明記しなくても法律上の罰則はないのが現状だ。

 しかし、アメリカではFTC(連邦取引委員会)というところが罰則を定めているし、ディズニー本社であればこういった手法を許すとは到底思えない。ひょっとしたら、間に入った代理店や事業者が、違法ではないと思ってやっていたのかもしれない。中小の事業者の中には、社会的倫理を守らず、ステマを山ほどやっているところもあるだろう。

ただ、多くの人が騙されていたとしても、それほど問題になっていないのが実態だ。現場の担当者は“自然な口コミを増やしてくれ”とリクエストされると、PRと書けば広告であるとバレてしまうと考え、お金を払ってでも口コミを投稿させようとしてやってしまう」と説明、こうした手法が跋扈する背景にあるのは、ネット特有のメディア環境があると指摘する。

 「テレビCMであれば広告だと分かる仕組みになっているので誰も文句を言わないし、面白いCMは面白いものとして受け止める。そして、昔であればテレビCMに出演できることが素晴らしいことだった。しかし残念ながら、ネットでは普通の人たちが普通に使う場所で、テレビのように“今からコマーシャルだ”という区切りを付けるのも難しい。そして、ネットでは広告と明示することを恥じている風潮もある。だからこそ、“#PR”くらいは付けようという話だ。

ネットニュースの記事の体裁を取ったステマが問題になったことがあるが、その時にタイトルに“PR”と入れると読んでもらえなくなるという意見が見られた。しかし頑張っている媒体には広告主からお金がしっかり付いて、非常に中身も充実して、広告であることを明示しても読まれるというケースもある。本来、あのディズニーに漫画を描いてくれと頼まれるのは名誉なことだと思う。
だからこそ、“こういった試写会に呼んでもらってこういった仕事をいただいたので、その想いを漫画にぶつけました”としていれば、皆が応援しようとなり得たと思う。京都市と吉本興業のケースも、本当に皆が応援したくなるような想いがこもったツイートや面白いツイートであれば、“#PR”が付いていても注目されたはずだ」。



 その上で徳力氏は「テレビ業界には倫理を守る仕組みがあるが、インターネット業界にはルールがなく、誰かがガイドラインを作らないと、一般の人や、今回も漫画家の人たちのように、事情を知らないケースが出てくる。やはり広告主や広告代理店などが教えていかなければならないし、一定の法規制も必要だろう。

一方で、中途半端な法律ができると何もかも禁止になってしまう。ソーシャルメディアがあることで、一般人も企業を応援できるようになった結果、映画『カメラを止めるな!』のように、ネット上の口コミから大ヒットにつながることもある。規制の結果、“感想を言うな”となってしまうのは良くないし、皆がステマのようなことをしなくなる方が楽しいインターネットになると私は思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:アナ雪炎上 ステマと広告の線引きは?

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