- 2019年12月07日 10:17
【読書感想】人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本
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著者が言いたいことは何となくわかるのですが、こういうのは、マンガ『美味しんぼ』に出てくる「美食慣れしていた京極さんが、故郷のシンプルなご飯とみそ汁に感動する話」みたいなもので、僕には実感がわかない、というのが正直なところです。
これを読んで、「そうそう!」って思える人は、この本の良い読者になれると思います。
サイゼリアのメニューの食べ方の工夫の一例。
リブステーキが出されたら、いささか面倒ですがいくつかの手続きが必要です。まずは鉄板の上から「ガルムソース」を取り出してテーブルの片隅に追放しその後は見て見ぬふりをします。イタリアンのフルコースに醤油味は不要なのです。
次に付け合わせのポテト・青豆・コーンを小皿に移してしまいます。これは追放するわけではありません。これらはこれで十分いいものなのでのちほど活用します。
さてここで鉄板の上にはステーキだけが丸々一枚残りました。これを6切れ程度にカットします。できれば、垂直にまっすぐカットするのではなく、ナイフを斜めに入れていわゆる「削ぎ切り」にすると、それっぽい見た目になります。このまま最後の仕上げに進んでもいいのですが、もうひと手間をここで加えるとより理想的です。ですがこれには一つの前準備が必要です。前菜のサラミの皿をここまで下げずに置いておく、というのがその準備にあたります。そのサラミがのっていた白皿に、カットしたリブステーキを移し替えて並べるのです。そしていよいよ仕上げです。そこにまずたっぷりのオリーブオイルを注ぎます。軽く塩を振り、多めの黒胡椒もかけます。このとき黒胡椒を皿からはみ出さんばかりに広範囲にかけるとさらにイタリアンらしくなります。理想を言えば、サラミの皿だけではんくルッコラも残しておいてここにあしらうことができると彩もよく、より完璧です。もしくは思い切ってここで彩りイタリアンサラダを追加オーダーし、トッピングのルッコラ、黒オリーブ、トマト全てを移し変えてしまうと、より完成度は高まるでしょう。もしこのときデキャンタの赤を飲んでいたらごく少量を肉と皿に振りかけるとこれもいいアクセントになります。(以下略)
すみません、僕はもう途中から読み飛ばしてしまいました。
著者も「ここまで面倒なことをするくらいなら素直にステーキとして食べたい、という人もいるだろうけれど、一つの可能性として覚えていて損はないはず」と仰っているのですが、僕はまさに「いくら美味しくなるとしても、サイゼリアでこんな面倒なことはしたくない」派なので、この情熱には感銘を受けますが、実用性には乏しい、と断じざるをえません。
サイゼリアのプリンはものすごくおいしい、というような話は、すごく参考にはなるのですが……
飲食業界で仕事をされているだけあって、ファミレスやチェーン店の料理と原価についての考察や、「こだわりのメニュー」を創っても、お客さんがオーダーするのは定番商品ばかり、という現実などにも触れられています。
「ファミレスやチェーン店は、どこも同じようなメニュー」なのは、店側の都合だけではないのです。
著者は、「評価される側」としての立場も踏まえて、店選びの際の「食べログの低評価レビュー」の有用性を述べています。
あくまで個人的な基準ですが、スペイン料理に限らずイタリアンやフレンチあたりは「オイリー」「塩気が強い」「香草がキツい」系の低評価レビューがある店に大当たりが多いようです。和食や居酒屋の「料理によって当たり外れが大きい」は、使い方が少し難しいかもしれないけれど楽しめる店。カレーやインド料理だと「コクや深みが感じられない」は、これは中華でもある程度共通します。中華といえばもう一つ「日本人には合わない」&「店員も客も中国人ばかり」のコンボも鉄板。ラーメン屋なら「ラーメンごときにこの値段はない」。あと老舗における「接客が最悪」も接待やデートでなければ狙い目。
……と、こんな具合に当たりに出合いやすい悪口キーワードを知っておくと、食べログでのお店選びはぐんと捗るようになるはずです。手始め
自分がお気に入りでよく通っている店の食べログページを開いて、低評価レビューを探して読んでみてください。いくつかのお店でそれをやるうちに、だんだんコツが掴めてくると思います。
この本、著者と「食」の傾向や好みが合う人にとっては、ものすごく読み応えがあると思うんですよ。
でも、合わない人にとっては「ファミレスやチェーン店にそこまでこだわらなくても……」で済んでしまう話なので、購入を検討される方は、書店で試し読みをしてみることをおすすめします(ちょっとて「食べログの低評価レビュー」っぽいな……)。

気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている (講談社文庫)
- 作者:村瀬秀信
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/07/08
- メディア: Kindle版





