- 2019年12月07日 10:17
【読書感想】人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本
1/2Kindle版もあります。

人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本 (SPA!BOOKS新書)
- 作者:稲田 俊輔
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2019/11/02
- メディア: Kindle版
内容紹介
食べログ3.7以上の店を経営するプロも唸った!
有名チェーン絶品メニューのカラクリを明かす多くの人が普段から利用するであろう「飲食チェーン店」。
「チェーン店なんておいしくない」
「安くて便利だから仕方なく使うだけ」
「時間も金もないからこんなところで飯を食べている」
といったネガティブなイメージを持っている人が多いのではないだろうか。しかし、複数の飲食チェーンを経営するプロは、チェーン店は実は「宝の山」だと指摘する。
サイゼリヤのオリーブオイルと粉チーズがスゴい!
本格派デニーズのデリーチキンカレー!
バーミヤンラーメンのスープはダシが絶品!
マクドナルドの肉はケッチャップ抜きがうまい
ご飯が食べたくなる松屋のニンニクの秘密etc. 筆者が実際食べて見つけた知ると行きたくなる秘密が満載の1冊だ。
チェーン店の人気メニュー開発の舞台裏を取材して書かれたもの、だと思って購入したのですが、内容は、外食業界で働いている人からみた、ファミレス、チェーン店のおすすめのメニューや食べ方の工夫を紹介した本でした。
とくに、著者の「サイゼリア愛」には驚かされます。
僕は自分の味覚にそんなに自信はないのだけれど、サイゼリアの料理に関しては、「まずくはないけれど、コンビニで買えるのと同じくらいのドリアだよな……安いし、ゆっくり座って食べられるから良いけど」というくらいのスタンスなんですよ。
たぶん、ほとんどのお客さんもそんな感じではないでしょうか。
ところが、著者は、サイゼリアのそういう「素っ気なさ」みたいなものを、けっこう高く評価しているのです。
チェーン店に限らず飲食店で安い料理を提供しようとしたら、当たり前ですがコストを削らなければいけません。コストを削れば料理は味気ないものになってしまいがちです。なので、安さを追求するレストランは(あるいはコンビニやファストフードなんかでもそうですが)味気なくなった部分を別の何らかの方法で補おうと躍起になるのが普通です。
例えばコストの高い食材である肉を減らせば、それを単価の安い肉エキスのようなもので補う、みたいなことです。実際はそんな単純なものではないのですが、あくまで一つのわかりやすいたとえとしてはそういうことになります。もちろんそういう類いの企業努力は大事なことでもあるのですが、その結果として安い外食はなんだか押し付けがましい、少しうんざりするような味になってしまうことが往々にしてあるのです。
サイゼリアが独特なのは、そういう「おいしさの上げ底」みたいなことをあえてやらないというスタンスを、頑なに守っているところにあります。そしてその頑なさの根幹を成しているのは、サイゼリアの素材に対する強烈な自信であると言えるのかもしれません。(中略)
あくまで仮の話なのですが、もしもサイゼリアで「ただ茹でただけのパスタ」が出てきたとしましょう。そこに前述のオリーブオイルをたっぷりとかけ回し、グランモラビアチーズをたっぷり振りかけて、調味料コーナーにあるブラックペッパーをガリリとひきます。するとそれは瞬く間に絶品のパスタ料理になるのです。
もちろんサイゼリアはレストランですから、茹でただけのパスタをそのままお客に提供することはありませんが、厨房の中ではそういうミニマルな最低限の足し算だけが施された状態で商品として提供されるわけです。そこには、素材さえ良ければ無理な底上げは必要ないという強烈な自負があります。
人によってはそれだけでは物足りないでしょう。そういう人はサイゼリアに対し「確かに安いけど安いなりの味」という評価だけを下してしまうのかもしれません。でも普段安い外食のうんざりする押しつけがましい味に辟易しているような人々にとっては、サイゼリアは数少ない安寧の場になっているのではないかと思います。




