- 2019年12月06日 19:03
【読書感想】なぜ日本人メジャーリーガーにはパ出身者が多いのか
2/2監督WARでダントツの数字を叩き出した”名将”がいる。現・中日ヘッドコーチの伊東勤である。
ロッテの監督を勤めた5年間のうち、監督WARが算出できる2014年以降の4年間全ての年で、監督WARが1位、平均で9.642と算出された。
1年だけの数字ではなく4年間を通じて12球団トップで、ダントツの数字を残した伊東采配には、さすがに何かあるのではないだろうか。単純に考えて、伊東監督の存在によって毎年戦力より10勝近く多い勝利がもたらされたことになる。
ロッテ特有の何らかの要因があったのかもしれないが、後任の井口資仁監督の数値はマイナスとなっている。
仮に伊東監督が2019年のセ・リーグのチームを率いていたとしたら、勢力図に大きな影響があったとも考えられる。
戦力の割に勝たせてしまうがゆえに、フロントが戦力補強を怠り、また有能ゆえにその姿勢に腹が立ちフロントと対立してしまったのかもしれない。
チームの成績がさほど目立つものではなかったので、ロッテ時代の伊東監督は印象が乏しいのですが、データでみると、伊東監督だったからこそ、あのくらい勝てていた、ということになるのです。
監督によってチームは変わるとは言うけれど、どのタイミングで、そのチームの監督になるか、というのは、かなり大きい。
有能な監督も、長年やっているうちに浮き沈みがあり、多くは長期政権になるとWARが低下していくようです。
日本ハムの栗山英樹監督のWARも2016年に日本一になって以降は低下傾向で、今年、成績不振の責任をとっての退任が取りざたされたのは(栗山監督本人は辞任の意向だったようですが、フロントに説得されて留任)、勝負勘や勝負運といったものの低下を自覚していたからなのかもしれません。もちろん、主力がどんどん流出していく、というチーム方針の影響もあったのでしょうけど。
最初に「前作に比べると、驚きや感動は少ない気がする」と書いたのですが、この新書はかなり短期間でまとめられ、そのおかげで、2019年シーズンの最終成績まで反映されているのです。カープファンとしては、菊池涼介選手のポスティングやメジャーリーグでの可能性についても言及されていたのも読みどころでした。
「第一作の目新しさはない」のだけれど、お股ニキさんの本は、「選手名鑑」や「年間データブック」みたいな感じで、毎年、そのシーズンのデータや活躍した選手についての解説を更新していく、という形にするのも有りなのかな、と思いました。
どんなに「第一作は……」と言ってみたところで、データが新しいほうを手に取るのは、eスポーツだけではないはずから。

セイバーメトリクスの落とし穴~マネー・ボールを超える野球論~ (光文社新書)
作者:お股ニキ(@omatacom)
出版社/メーカー: 光文社
発売日: 2019/03/22
メディア: Kindle版

勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス (岩波科学ライブラリー)
作者:鳥越規央,データスタジアム野球事業部
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マネー・ボール〔完全版〕
作者:マイケル ルイス,中山 宥
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マネーボール (吹替版)
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