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アングル:経済対策で補正4.3兆円、二階氏10兆円発言は解散風演出か


竹本能文

[東京 5日 ロイター] - 政府の経済対策は事業規模で26兆円と大規模なものとなった。政府の財政支出も13兆円程度となるが、財政投融資などを除いた国・地方の直接支出は9.4兆円、政府の国費は7.6兆円、うち2019年度補正予算の計上額は4.3兆円で、自民党の二階俊博幹事長が要求していた真水10兆円とは距離がある。補正10兆円発言は、早期の衆院解散ムードを醸成するのが主眼だったのではないかとの解説も与党内では聞かれる。

<補正真水は4兆円台、10兆円発信の真意>

二階幹事長は11月19日、補正予算について「10兆円を下らないものが必要」と発言。これを受けて22日には世耕弘成参院幹事長も「補正真水10兆、事業費20兆」と発信し始めた。

対策の規模について政府内では当初、「18年度補正予算と19年度の消費増税対策を合わせた実績の6兆円以上が必要」(内閣府高官)などと取りざたされていたが、補正予算のみで10兆円との意見は少なく、政府・与党内では二階氏の発言の真意をめぐり様々な見方が出ていた。

ある関係者は「二階氏は補正か当初予算かなど細かい点に関心がない」と解説。中堅議員の一人は「10年で100兆円の公共投資の必要性を訴えたかったのでは」とみる。

これに対し、ある与党関係者は「二階氏が発言したタイミングがポイントだ」と解説する。発言があったのは安倍首相主催の桜を見る会の問題がメディアで取り上げられ、各社の世論調査で首相の説明が十分でないとの見方が多数を占めた時期に重なる。「大規模な補正予算を打ち上げることで、早期衆院解散を連想させるのが主眼だったのだろう」とみる。

自民党のある幹部も、内閣支持率の低下で現実に解散は難しいと話す一方、野党の抵抗で憲法改正の実現性が低下しており、首相の権力の源泉である解散権の行使まで難しいと見透かされれば安倍首相の求心力に陰りが出るのを防いだと解釈、「解散風サービスだ」と話す。

<解散は来夏以降か、根強い早期解散期待>

現在の衆議院の任期は2021年10月だが、20年夏には東京五輪・パラリンピックが開催され、20年秋以降は景気後退の可能性も予想されるため、自民党内には早期解散期待がくすぶっている。安倍首相自身が19年夏の参院選に合わせた衆参同日選を検討していたと表明していることも大きい。

しかし現時点で解散時期は早くとも来年の初夏以降との声が与党内では多い。「台風19号など水害対策を優先する必要があり、解散はできない」(副大臣)との声が主流で、解散は五輪・パラリンピック後との見方が多い。

次期衆院選は「高齢の二階幹事長に対する引退圧力が高まりかねず、二階氏が衆院任期ギリギリの2021年まで解散を避けたがるのでは」(与党筋)との観測もある。

もっとも憲法審査会の審議を進めるために、与党側が対野党のカードとして「解散風を来年5月以降吹かせるかもしれない」(閣僚周辺)との見方はある。

政権の内部では「桜を見る会の問題は年明けには沈静化するだろう」(関係筋)との声が多い。安倍首相は2017年9月に、森友・加計問題で支持率が低迷、小池百合子東京都知事による希望の党結党など逆風が吹く中で解散を断行し、圧勝した経験もある。

「首相がどう判断するか全くわからない」(与党ベテラン)ことに変わりはない。

(編集:石田仁志)

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