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「トップを降りるつもりはないのか?」ユニクロ・柳井社長に“後継者問題”を直撃すると……

 11月28日、ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの株主総会が山口市の本社で行われた。

 私が株主として総会へ出席するのは2017年以来2度目。柳井正社長本人に話を聞くためだ。

ユニクロ帝国の光と影』を出版した11年以降、私は会見から締め出されており、柳井社長の肉声を聞くには株主総会で質問するしかないのである。

 19年8月期の連結業績で売上高は2兆2905億円と過去最高。日経平均を左右するほどの企業だが、ワンマン経営で、柳井社長も今年70歳となり、誰が後を継ぐか注目されている。


「70歳で引退する」とかつては語っていたが ©共同通信社

 そこで、株主総会の質疑応答で、私は尋ねた。

――柳井社長は産経新聞8月22日付朝刊のインタビューで「退任は考えていない。必要とされるうちは仕事をしたい」と話したが、次世代に引き継ぐのかという問いに「あと1、2年」と答えた。どっちが本当か。

「先のことは、誰にもわかりません! 1年とか、2年とか、そういうことは明確に申し上げる必要はない」

――柳井社長自身が新聞で話されていることでは。

「新聞記者は勝手に書く。私はそのようなことは申し上げたことはありません」

 自らのインタビュー記事を全否定したのだ。

「柳井社長は当分トップを降りるつもりはないのか」

――同記事で、取締役である長男の一海(かずみ)氏と次男の康治(こうじ)氏を社長にすることはないと話している。バトンタッチがあるなら、残る一人の社内取締役である岡﨑健氏がトップになるのか。

「わかりません! 岡﨑君がなる可能性もあるでしょうが、わが社には長年働いてきた社員たちが世界各地で活躍しています。多分、彼らの中からチームで経営する。1人の経営者が全部仕切るというような経営ではない、ということです」

――柳井社長は当分トップを降りるつもりはないのか。

「わかりません! 70歳を過ぎると、先のことは全くわかりません」

――4号議案の取締役報酬額改定案について。なぜ年間上限の総額を10億円から20億円に引き上げるのか。

「決して高くないと思います。日本の(役員)報酬は責任の割には、非常に低い。我々、グローバルでビジネスをやっていくうえで、報酬が低いと勝てません。ですから、これはぜひ、承認いただきたい、と思います」

 柳井社長が4号議案の採決の前に総会を終了しようとしたので、事務局スタッフが慌てて駆け寄る場面も。

「すいません、1つ漏れておりました。4号議案の採決をいたします。ご賛同いただけます、株主様は、拍手をお願いします」

“柳井商店”から名実ともにグローバル企業になれるか。真価が問われる。

(横田 増生/週刊文春 2019年12月12日号)

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