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結愛ちゃんの気持ちに応えよ

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第二には、「法改正による常駐弁護士・医師の児童相談所への必置化」だ。

今回の結愛ちゃん事件を受けた、国、香川県、東京都による3つの検証結果に共通する、救う事の出来た命を失った原因は、香川、東京の所管児童相談所における判断ミス。そして、その原因が、児童相談所の専門性の欠如にあったことは明らかだ。

姿の見えない本人の安全確認をルール通りに行う、とのデューステップを取らなかったことの原因は、真の意味で子どもの権利を守るために必要な行動をとらず、子どもの命を守る事への配慮よりも、将来的に支援をする可能性のある親への配慮が優先されてしまった、との判断ミスだ。

法律家が一緒にソーシャルワークを行い、事態の深刻度を児童相談所として的確に判断をしていれば、今回のような親が子どもへの面会を拒否するとの事態にあっても、児童相談所に付与されている現行の法的権限を駆使して、子どもの安否確認を行う事こそが児相としての最優先の行動、との的確な判断していたはずだ。

また、主治医からの親子分離を行うべき、との繰り返された強いアドバイスにも拘らず子どもを家庭に無防備のまま戻し、このような最悪の結果をもたらした原因の一つには、児相における医学に関する専門性の欠如があった。虐待医学などの専門的な医学的見地からは明らかだったリスクを児相側がアセスできず、漫然と子供を家庭に帰し、最悪の事態を招いたのは、児童虐待医学、児童精神医学等の専門的知見を深く理解し、そうした科学的知見に基づく判断をしなかったのが原因だ。

従って、今後は、法律改正によって、原則全ての児童相談所に、日常的にソーシャルワークを児童福祉司などとともに協働して実施可能な「常駐弁護士」、「常駐医師」を、雇用形態に拘わらず必置化すべきだ。そして、児相設置自治体に、各々少なくとも1人は「常勤」とすべきだ。当然、予算上、報酬面で必要な手立てを取らなければならない。

そして、第三番目には、「『子ども家庭福祉士(仮称)』の国家資格化」だ。

「結愛ちゃん事件」から明らかになったことは、子どもの命を守り切るためには、単に児童相談所に止まらず、市区町村、児童福祉施設、そして広くは社会全体が総がかりで専門性を持って子どもの命を守らなければならない事だ。

これまでの「児童福祉司」は、地方自治体による「任用資格」だったため、人手不足を補うためもあって、任用要件上、必ずしも専門性のない人材も児童福祉司となる事が可能である、との無責任な対応を国としても取ってきてしまった。

とりわけ、今回の事件から明らかなように、真の問題解決に向けては、単に虐待を受けている子どもに関して的確な判断をするための専門性に止まらず、虐待をする親の抱える問題点の正確な把握とそれへの適切な対応策に関する専門性も必要だ。そのため、虐待を含む児童福祉の分野であっては、相当高度なソーシャルワーク上の専門性が必須となってきている事は明らかだ。

加えて、今回の事件を見ても、判断ミスや不十分な対応をしているのは、単に児童相談所だけでなく、市町村も同様であり、仮に無事に家庭から引き離し、一時的にせよ施設等に入所するならば、施設においてもそうした子どもと接するスタッフも、高度な専門性を持っていなければ、被虐待児やその家庭への適切な対処は不可能なのだ。

そうなれば、都道府県庁や政令市の市役所等に、児童福祉と関係のない分野での就業を期待して就職した職員を、児童相談所にルーティン人事によって配転させ、研修を強制しても、極めて不効率のはずだ。また、専門資格がない人材であれば、せっかく児童福祉問題に明るくなりかけても、早晩他の部署に再び配転され、折角培ってきた何年間かの経験と知識は、活かされなくなってしまう筋合いだ。

私は、丁度「精神保健福祉士」が、「社会福祉士」の活動分野の中でも精神保健福祉に特化した資格者として存在しているように、児童福祉関連のソーシャルワークに特化した「子ども家庭福祉士」のような国家資格を早急に創設すべき、と強く思う。

その事により、元々児童福祉や児童虐待問題に強い関心があり、自らの意思で勉強し、国家資格を取得する、という高いモラールを持った人材を広く日本中から募り、児童相談所でも、市区町村の子ども担当部署でも、児童福祉施設などにおいても活躍して頂く事が最も効率的に、高度な専門性を持った、士気の高い人材を児童虐待現場に投入し、子どもの命とその家庭を救う事が可能になると確信する。

また、このような児童福祉に特化した資格を持った専門人材となれば、人事権者も児童福祉以外の部署に安易には配転しにくくなるはずであり、結果として、専門性の蓄積が進み、子ども家庭福祉の向上に大きく貢献可能となる。

いずれにしても、来年の通常国会において、しっかりとした法改正を行って子どもの命と温かい家庭を守る万全の体制を構築する事こそ、尊い命を失った結愛ちゃんへの私たちの「答え」のはずだ。

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