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「桜ゲート事件」で不都合な事実を隠ぺいする安倍首相と内閣府

 どうして、このような見え透いた嘘をつくのでしょうか。参院本会議での「桜を見る会」についての代表質問に答えた安倍首相です。

 前夜祭での会費を払っていないことについて、乾杯と挨拶をして短時間しかいなかったからだと弁明していました。しかし、翌日の新聞に書かれていた首相の動静欄には、午後6時33分に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席し、8時24分に同ホテル出発と書いてあります。

 2時間近くホテルに滞在していたことが、はっきりと記録に残されていました。ホテルにはいたが、前夜祭には短時間しか出なかったと言い逃れるつもりなのでしょうか。

 前夜祭の会場にどれだけの時間いたのか、乾杯だけで料理や酒には手をつけなかったのかなどは、出席者に聞けばすぐに分かることです。たとえかん口令を敷いたとしても参加者は800人ですから全員の口裏を合わせることは不可能で、安倍首相の弁明が本当かどうかはすぐに分かるでしょう。

 それに、政治資金規正法の本来の趣旨は、政治資金の流れを透明にすることにあります。お金が後援会を経由して集金されホテルに支払われていれば、その金額が全く同じであっても、その流れが記載されていなければ隠されてしまいます。

 だから、政治資金規正法違反の不記載に抵触するのではないかと疑われているのです。この疑いを晴らすためには、ホテルの見積もりと支払い額が完全に一致していることを証明する書類を示すしかありません。

 それは、疑われている安倍首相にとって疑惑を晴らすために必要な書類ですから、ホテル側が渋っても再発行を求めなければなりません。一国の総理大臣にかかった疑いを晴らすために必要な書類なのですから。

 しかし、安倍首相はそのような要請を行わず、ホテル側も進んで見積書や明細書などの書類を提出しようとはしていません。出せないのは、そこに安倍首相側にとってもホテル側にとっても不都合な事実が書かれているからでしょう。

 常識的に考えれば、最低1万1000円が必要とされるパーティーを会費5000円で開催することは不可能です。参加者の増減もあるでしょうから、会費収入も増減します。

 欠席者が出れば不足しますから、何らかの形で補填しなければなりません。後援会が補えば饗応になり、ホテル側がまけていれば利益供与になります。

 だから出せないのです。同様に、「桜を見る会」の出席者の名簿も、とりわけ内閣府が管理する者には不都合な事実が書かれているから明らかにできないのです。

 一生懸命に隠そうとしてきたのは、見つかっては困るからです。不都合な事実が書かれていない古い名簿はきちんと保存され公開されているのに、最近の名簿、それも内閣府が管理するものは個人情報を理由に隠されています。

 それまではあったのに資料請求がなされた後に慌ててシュレッダーで裁断し、質問された時にはコンピューターで復元可能だったにもかかわらず嘘をついて誤魔化してしまったのです。安倍首相は「問題がない」という自らの説明の正しさを証明できるはずの証拠を進んで廃棄したことになります。

 安倍首相と内閣府のやり方は一貫しており、森友・加計学園疑惑に対する対応と共通しています。「隠す・誤魔化す・嘘をつく」というやり方です。

 それで逃げおおせるとでも思っているのでしょうか。臨時国会は来週の9日まで会期が残されていますから、予算委員会の集中審議に応ずるべきです。

 来年になれば通常国会が始まり、安倍首相が出席する予算委員会の開催は避けられません。それまでに新たな事実が明らかになる可能性もあり、手ぐすね引いている野党は一斉に攻勢に出るでしょう。

 この間の安倍首相と内閣府の対応は、不都合な真実を隠ぺいするという点では一定の効果を上げてきました。しかし、そのことによってかえって疑惑を深め、国民のフラストレーションと批判を強め、火に油を注ぐ結果になっています。

 ジャパンライフの山口隆祥元会長との関係を含め、安倍首相に関する疑惑はさらに広がりを見せています。いよいよ「桜ゲート事件」としての色彩が強まってきました。

 アメリカの「ウォーターゲート事件」では、ニクソン元大統領が辞任に追い込まれました。同様に、日本の「桜ゲート事件」でも、安倍首相を辞任に追い込めるかどうかが注目されます。

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