- 2019年12月04日 15:23
鳩山元首相「エリカ逮捕は陰謀」横行する「危うい正義」その4
2/2そもそも、今次の騒ぎとは比較にならない規模のスキャンダルであった、ロッキード事件(1976年)やリクルート事件(1988)が発覚した直後、誰か有名人が逮捕されたりしているのか。
つまり、有名女優の逮捕を政権のスキャンダル隠しなどと考えるのは、脳みそにウジがどうのとまでは言わないが、常識的な思考とはほど遠いと言える。
前述のように、オタク的な芸能人が投稿している分には、どうせ炎上商法だろう、で済ませてもよいが、かつて首相の地位にあった人が言うのは、持つ意味が違う。
鳩山元首相に、単刀直入に伺いたい。
10月31日未明に起きた首里城の火災は、あなたが某国の工作員を雇って放火させたのではないのか。
基地問題から国民の目をそらすためだ、と仮定すれば、あなたには動機がある。
もともと問題がここまでこじれたのは、あなたが首相時代に県民の歓心を買うべく、市街地にあって、かねてから危険性が指摘されていた普天間基地の移転先を、
「最低でも県外」
などと明言し、米国大統領に対しては、実は具体的な解決策など考えてもいないのに、腹案がちゃんとあるなどとして、
「プリーズ・トラスト・ミー(私を信用して下さい)」
とまで言い切り、とどのつまりは収拾がつかない状況にしたからではないか。
……お分かりだろうか。
今さら言うまでもないことだが、私が本気で「放火説」をとなえているわけではない。ただ、陰謀論など思いつきでなんでも言えるのだ、という例を挙げたまでのことである。
たしかに現在の安倍政権にしてみれば、桜を見る会をめぐる一連の騒ぎから国民の目をそらしたいだろう。少なくとも、そうなれば有り難いと考えるに違いない。しかし、そのために司法執行機関に特定の個人の逮捕を促したりしたら、不当な捜査介入であり、スキャンダルどころの騒ぎではない、法治国家の根幹にかかわる大問題となってしまう。
犯罪に手を染める動機がある、ということと、実際に犯罪が行われた蓋然性があるか否かは、まったく別の問題なのだ。
言うまでもないことだが、政治家のスキャンダルは厳しく糾弾されなければならない。
「ジャーナリズムは野党的でなければならない」
と喝破したのは、かの大宅壮一だが、これは、権力には常に厳しい目を向けるべきだということで、決して政府与党にはなんでも反対しろという意味ではない。
私とてジャーナリズムの世界で、決して短くはない経験を積んできているので、日本だけではなく、情報機関とか公安警察といった組織が、陰謀ないしは陰謀じみたことを年中やっているという話は、さんざ聞かされてきている。
そうであるからこそ、権力や政治を監視するという立場の人間が、安易に陰謀論に走るのは、自分で自分の首を絞める行為であり、それも「見当違いな正義感」のひとつの現れだと言いたいのだ。
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