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正しく問題をたてれば、いい解もやがて見えてくる

私たちは日々の暮らし、また人生のなかで、さまざまな問題をたて、それを解決するために考え、また行動しています。また、人には誰でも問題をたて、それを解決しようとする習性や能力が備わっています。
たとえば、お腹がすいた時に、近くの店でなにかを食べようという問題をたて、店やメニューを思い浮かべながら行き先を決めるということは日常的に行っている問題解決です。

マーケティングはまさに、売り手と買い手の双方の利益を最大化するための問題解決そのものです。だからマーケティングを学ぼうとする人によくおすすめするのは、安西祐一郎さんの『問題解決の心理学』です。読みやすく分かりやすい一冊です。政治も国民の利益をどうすれば最大化できるか、豊かな社会を築くためには、なにをなすべきかの問題をたて、その解決をはかることでは同じです。

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しかし、問題のたて方によって、そこから導かれる知恵も行動も大きく変わります。問題のたて方を間違ってしまい袋小路にさまよいこんでしまうこともあります。また状況が激変すれば、人はそのなかで新たな問題をたてるものですが、それを怠ると状況の変化に適応できません。

ビジネスの世界は、大きな時代の変化の中で、さまざまな競争のルールが激変しました。おまけつき雑誌というか、雑誌がおまけなのかと紛うマーケティングで成功した宝島社は、ライバルをスターバックスのカフェラテだと考えているそうですが、まさに現代のルールの変化を敏感にとらえていると感じます。

同業者間でいかに勝つかに問題を設定しても、そのカテゴリーそのものが成熟し、雑誌そのものの存在価値が問われているなかでは、あまり筋の良い問題のたて方とは言えません。消費者の人たちの時間や行動のなかでは、カテゴリーを超えた競争が起こっているからです。
限られた時間、限られた行動のなかで、もっとも有益だと思うモノやコトが選ばれる時代のなかでは、おまけつきの雑誌と同じような出費になるスターバックスのカフェラテよりも、さらに心豊かで、充実した体験を実現してもらうものを実現しようと問題をたてることは筋がいいのです。

まだまだ多くの分野で、工業化時代の「規模の経済」の発想から抜け出せず、同業者間で機能による差別化で、より高いシェアをとり、販売量を伸ばすことに活路を見いだしている企業が多いのですが、残念ながらそれが今でも通用する分野はそう多くはありません。
ニーズが多様化したなかで、それぞれのニーズにあわせたさまざまな製品の提供が求められ、結局は多品種少量生産となり、規模の経済のメリットが出てきません。デジタル家電の市場はまさにその様相になってきています。

いかに意義のある生活の過ごし方を実現するか、より豊かな体験を提供できるかに問題をたてれば、おのずとモノだけで実現できることには限界があり、楽しめ、また役立つコンテンツを提供するプラットフォームとの相乗効果によって、より高い価値を実現するという「範囲の経済」のメリットを追求しようという解もでてきます。

今は政治の世界が問題のたて方で混乱を極めています。すでに菅総理が退陣の意向をしめしたにもかかわらず、まだいつ辞めるのかを問い詰めている国会議員がいます。
国民目線からすれば、今は復旧の遅れの障害になっている問題を取り除き、また原発事故による被害を最小に食い止めることに問題をたてるべきなのですが、ご本人が口角泡を飛ばして自らの演説に酔っている様子を見ると、いかに自らの存在感を高めるかに問題をたて、その迷路に彷徨いこんでいることが見えてきます。

人は問題を解決しようとする存在です。問題をたてれば、それが正しいかどうかを問うよりも、その問題解決に突き進んでいきます。時代はますます複雑さを増してきており、よりよい問題をたてる知恵が求められてきていることを痛感します。それだからこそ、異なる視点との出会いや異なる発想から学ぶことをを大切にしたいものです。

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