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既成概念ではだめ。教師の多忙化対策にICT活用事例

神戸市への視察では、"宿題改革"による教師の負担軽減も聞いた。その内容は、民間が開発したICTを活用した学習支援ツールを導入することだった。



■民間の学習支援ツールを導入

 教師の多忙化は、どの地域でも問題になっている。解決策は、先生を倍にすれば解決するものだが、国の問題であり自治体がやるにはお金が必要になってしまう。

 そこで神戸市では、全児童生徒に民間が開発した学習支援ツール「みんなの学習クラブ」を導入した。

 さらに、テストの採点支援ツールも導入しているという。この導入は、先のPTA改革の柱とも言える運営委員会で保護者から、そんなに大変ならツールがあるはず、と提案されて実現したのだそうだ、

 学習選ツールは、神戸市の全中学に導入され、平成29年度より生徒一人ひとりにIDとパスワードが与えられ、自宅のパソコンやタブレットでも利用できるようしている。

 WEBサイトに学習用の素材があり、授業中に使うだけでなく、日々の宿題や夏休みの課題代わりに使えること。生徒が学習したかのチェックもでき、復習もできるため教師の負担が減ったのだそうだ。

 また、生徒は個別の習熟度や課題に応じた素材を使え、自分の好きなものをやることもできるので学習意欲が高まると反されていた。保護者が宿題はどうなっているか気をもむことも少なくなるそうだ。パソコンがない家庭には学校のパソコンを使えるようにしているとされていた。

■保護者と教育委員会

 このような"改革"、特に民間のツールを導入するとなれば、そう簡単には進められないかもしれない。

 しかし、先のPTA改革の柱となった運営委員会のように保護者と課題を共通認識し、理解を得られるようにすること。さらには、既成概念にとらわれないことが必要。特別なことでなく楽になることで考えればいい。

 また、権限は校長に任されているといわれても、どこまでできるかは教育委員会と一緒にやらなければできない。やれるかは教育委員会事務局が握っていると福本靖校長は話されていた。

 福本校長は、『PTAのトリセツ〜保護者と校長の奮闘記〜』でPTA改革を行った学校から市の教育委員会に異動し、このICTを活用した学習支援ツールの導入を担当したあと、視察先の校長先生へと異動している。そのため、PTA改革の話から、この"宿題改革"の話まで伺うことができた。

 教師の多忙化を防ぐには既成概念にとらわれはならない。これまでと同じことをしていては、同じことになる。そう思えてならなかった。

【参考】
神戸市教育委員会だより 2017年5月号 学習支援ツールの個別配信スタート
PTA改革は、教師の多忙化対策にも (2019年11月28日)

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