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介護の現場にしゃしゃり出る財務省の"悪巧み"

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「ケアマネに払う料金は月1500円程度になる見込み」

居宅介護サービスを利用する人には原則としてケアマネがつくと前述しましたが、介護保険法では「セルフプラン」といってケアプランをケアマネに頼らず利用者やその家族自ら作成してもいいことになっています。

とはいえ、介護報酬の単位計算は複雑ですし届出書類の作成も煩雑。加えて介護サービスをどこに頼んだらいいかという知識も乏しいので現実的ではありませんが、それを理由にケアマネが立ち入ることを拒む人も現れかねないわけです。

「すでに介護サービスを受けている利用者さんも、ケアマネの報酬が自己負担になることには抵抗があると思います。無料だったのが有料になるわけですから」

そう語るのは30代の男性ケアマネジャー・Tさんです。

「負担額は地域や介護度や事業所がとっている加算によっても異なりますが、1カ月あたり1500円といったところ。利用者さんには年金生活の方も多いですから、1500円とはいえ加算されるのは痛いのです」

「デスクワークの人」になぜ費用を払わねばならないのか

もし、ケアマネへの費用が発生した場合、利用者は「何に」払っているのかが“見えにくい”点もネックです。

訪問介護のヘルパーは、オムツを替えたり体を拭いたり、生活援助として掃除や洗濯などをしてくれます。デイサービスのスタッフは、送迎してくれるうえ食事を出してくれたり入浴させてくれたりと、自分が施設で1日を過ごすために働いてくれる。


写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです


ところが、ケアマネは利用者の目からは、ケアプランをつくるのと定期的に様子を見に来るだけの人。「自分のために働いている姿」が見えないのです。

「本当は担当する利用者さんの一人ひとりのためにしっかり働いているんですけどね。訪問した後は利用者さんの状態を文書として記録に残しますし、サービス調整といって現在受けておられるサービスを10項目に渡ってチェックすることも欠かせません。そして気になる点があれば事業者に連絡して改善してもらったり、事業者を替える判断をしたりすることもある。ただ大半がデスクワークで利用者さんには見えないですからね。もし、ケアマネの報酬が利用者負担になったら、払っていただくよう説得するのは相当大変だと思います」(Tさん)

介護保険法改正に猛反対するケアマネの事情

利用者負担の支払い方法は、金融機関での自動引き落としのほか、毎月自宅に集金にいくケースもあるそうです。献身的に対処しているケアマネとしては、そのたびに利用者から「なんでは払わなきゃいけないの?」といった顔をされ、請求書や領収書を起こす手間もかかる。


写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです


ただでさえ忙しいのに、新たに多くの労力や心労が加わるわけで、ケアマネにとっては「絶対に避けてほしい」介護保険法改悪なのです。

ケアマネが困れば利用者に悪影響が及ぶことも十分考えられます。2021年での法改正は先送りされ、このような事態になることは当面避けられましたが、財務省のお役人を中心とした政府の福祉政策部門では、介護の現場の実情や声を無視した改変が行われようとしていることは、頭に入れておいたほうがいいのではないでしょうか。

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相沢 光一(あいざわ・こういち)
ライター
1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。
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(ライター 相沢 光一)

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