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環境への貢献と企業の独自性

依頼を受け、ESG(環境、社会、企業統治)に関する講演を行った。その時のメンバーからするに環境に関する具体的な意見が少ないと予想し、アマゾンやアフリカなどの実地調査の写真を何枚か使った。

僕が感じているのは、日本の自然環境に対する意識が希薄なことである。気候的に恵まれているため、水や森林の有限性、希少性を実感していないからだろう。世界を旅行すれば、水のある風景、緑のある風景がいかに少ないのかが分かる。

これに関連して、日本の世界遺産政策が観光しか眼中になく、本来の意義から外れていると感じている。この点を披露した。

世界の自然遺産や国立公園の場合、入域料の徴収、入域人数の制限は常識に近い。日本は逆に、世界遺産に登録されることで、訪問客が増えることを狙っている。だから入域料を徴収しない。徴収するのは寺や神社の参拝料だけであり、税として国や地方に還元されない。これでは、世界遺産を保護するためではなく、それを浪費するためだとしか思えない。

先日、奈良は春日の奥山に入ったが、そこにスタバやコンビニのコーヒー容器が多く捨てられていることに憤ったものだ。世界遺産に登録するのであれば、そんな無知な行動を監視するための人員を強化する、監視ための料金を徴収する、それが強く求められる。

もう1つ思うのは、先進国のエゴである。かつて欧州もそうだし、アメリカの西海岸もそうなのだが、立派な森林地帯だった。それが文明の発展とともに伐採されてしまった。中国もそうである。

森林の伐採が果実となり、今の先進国がある。この点を棚に上げ、たとえばブラジルに対してアナゾンの開発阻止を訴えるのは変である。自分たちの過去を直視せず、ブラジルなどのこれからの開発だけを阻止しようとしても納得感がない。先進国として、現在も森林を保有する国に対し、一定の国際的な税金というか、協力金というか、それを払うのが本来の姿だろう。

もう1点、企業のESG活動に関して、経営者のリーダーシップが最重要だという点に言及した。経営者にESGへの感覚と思慮がなければ、企業内にほとんど何も起きない。起きるとすれば、物真似だけだろう。この経営者のリーダーシップの重要性は、講演メンバーに共通していた。

さらに言えば、企業の独自的なESGの展開が評価に値するのだが、評価してもらうには投資家や消費者に対して、その独自性をアピールしなければならない。この活動もまた、経営者の積極的な行動に依拠する。

日本の企業は、ともすれば政府の指示待ちに陥る。それでは欧米に劣後するだろう。アメリカの場合、トランプが環境に対してそっぽを向いているから環境への行動が遅れていると思いがちだが、これは大きな間違いである。アメリカの企業や投資家は独自の見識に基づいて行動している。これもまた、アメリカの強さである。

いずれにせよ、ESGに対して幅広い視点に基づき、自分たちで考え、行動することが求められている。さもなければ、ESGにおいて日本がガラパゴスになる。自然遺産としてのガラパゴスなら嬉しいのだが、閉ざされたという意味だから、無味乾燥な地の果てに置いてけぼりにされた感が漂ってしまう。

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