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- 2012年06月28日 02:54
元Jリーガーに学ぶ、個人と組織のあり方が変わるフリーエージェント社会1
昨日(2012年6月27日)、文京区にある築100年以上の日本家屋「花みち」にて、元Jリーガー林一章さんを招いて、「元Jリーガーに学ぶ、個人と組織のあり方が変わるフリーエージェント社会~これからの時代を生き抜くヒント~」と題した対談およびかさこオフ会を実施しました。
実際の対談は事前に打ち合わせしていたシナリオから、かなり違ったものになったのですが(苦笑)、台本の方をブログで紹介いたします。
かさこ:サッカーの日本代表戦を見ていると、まだ20歳代の若い選手が、海外の名門クラブを渡り歩くなどして、自分の技術一つでチームを転々と移って活躍している。スポーツ界ではそれが当たり前だが、一般のサラリーマン社会もスポーツ界のように、フリーエージェントな契約社会になっていくのではないかと思っている。そこで本日は元Jリーガーを招いて、フリーエージェント社会が到来した際、個人はどう生きていくべきか、考えてみたいと思う。
林一章さんはFC東京などに所属していた元Jリーガー。ポジションはゴールキーパー。プロサッカー選手になりたくて、大学入学後、サッカー部に入部を申し込んだにもかかわらず、「おまえに実力はない」と門前払い。三重から東京に出てきた林さんは、サッカーができず、夢を失い、でも東京のような大都会の誘惑に負け、しばらくは遊んでいた。でも遊びに虚しさを覚え、なんとしてでもプロサッカー選手になりたいと、ブラジルに行き、サッカー修行。その甲斐あってそこでのがんばりが認められ、Jリーガーになったという経歴を持っている。
そんな逆境から這い上がる力を持った林さんは、なぜJリーガー時代は活躍できなかったのでしょうか?
林:他人の言うばかりを聞き、得られた知識を自分で考えなかったからだと思います。高校のサッカー部でもブラジル時代も、ちゃんと教えてくれるコーチや監督なんていなかった。ただガムシャラに自分の本能の赴くままサッカーをしていた。
ところがJリーガーになったら環境が恵まれている。ちゃんと監督もコーチもいる。素晴らしい先輩選手たちもいる。そこで私は自分を見失い、舞い上がってしまった。
コーチや先輩から、いろんなことを教わった。それを私は自分なりに解釈することなく、なんでもそのまま真に受けてしまった。教わった知識を、自分で考え、判断しなかった。だから活躍できなかったと思うのです。
だってコーチや先輩から、「ほら、ボールいったぞ!動け!」と言われてからあわててボールとりにいったのでは遅い。他人から言われる前に、自分で考え、状況を判断し、瞬時に動く。ブラジル時代には指図する人がいなかったので、自分でできていたのに、Jリーガーになったら他人の指示待ちになってしまったんです。これでは活躍できなくて当たり前です。
かさこ:Jリーガーになることが夢でありゴールだった。だからJリーグに入ったことで満足してしまったのでしょう。でも一般企業に置き換えてもそういうのは多いと思います。大企業に入ることが夢であり最大の目標。だから、就職してしまえば満足で、入社してから活躍することは考えず、会社でいかにラクして働くかしか考えないみたいな。でもサッカー選手の場合、そんなことしたらクビになってしまいますよね。
林:スポーツは実力社会。プロ選手になれたところで、活躍できなければ収入は減るし、チームから追い出されることもある。プロ選手をクビになるかもしれない。そういう危機感は常にありました。
逆に活躍すれば活躍しただけお金という対価がもらえることは、大きなモチベーションになっていました。僕はさほど活躍できなかったので、現役時代に大きな昇給はありませんでしたが、1年で年俸が120万円増えたことが最高。でも友人でもある有名チームのキャプテンは、1年で年俸が1000万円上がったといいます。
さらにサッカーでは勝利給というのがあります。私の現役時代、チームが勝ったら、1試合で50万円もらったこともありました。20分か30分しか出場していない私でも、チームが勝てば50万円ももらえる。これだけの「ニンジン」がぶらさげられたら、そりゃみんながんばりますよね。
かさこ:本来、スポーツの世界だけでなくビジネスの社会、一般企業でもそうあるべきですよね。チームが勝てば選手にも還元される。活躍できなかったら減給する。場合によってはクビにする。でも一般企業となると本来実力社会であるべきなのに、日本的温情主義がはびこっていて、実力がない人材も雇われ続けられるとか、昇給はあっても減給がなかったりして、働く意欲も働かなければならない危機感もイメージしにくい。だから企業も個人もともに衰退しているのではないか。
林:スポーツは勝ち負けがはっきりしているので、チームが強くなるために、いい人材は高い給料で雇うが、活躍できない人材はクビにするこれが当たり前です。
かさこ:そういう労働体系になっていれば、選手のモチベーションも自然と高まりますよね。サラリーマンではさぼっている人もいる。会社にいてもできるだけ仕事をしたくないと思う。それは自分だけがんばってもそれに見合った報酬アップにならないし、がんばらなくてもリストラされたり、減給されたりしないからなんでしょう。でも右肩下がりの日本では、もうそういう時代ではなくなってきた。やむなくフリーエージェントな社会に、ならざるを得ないのではないかと思います。
ただ残念ながら、まだ現状はフリーエージェントな体制になっていない。だから、実力を持った会社員がいても、上司が変わってしまい、その上司がきちんと部下を使いこなせる能力がなかったりすると、もうそれでその部下は「死んで」しまう。もしくは上司が変わると、部下の実力ではなく、好き嫌いで仕事の割り振りをしてしまうということもある。その点、サッカーは自由に移籍しやすいからいいですよね。
林:サッカーだったら監督と方針が合わなかったり、自分を評価してくれるチームでなければ、移るのは当たり前という雰囲気はあります。自分の力を最大限に生かせるチームを探すのも、その人の能力の一つと考えられています。以前、ヴェルディ川崎にマルシオ・アモローゾという、ブラジル人選手がいました。しかし外国人枠の関係でトップチームでは活躍できなかった。でもブラジルに帰ると得点王になり、その後、イタリアに渡るとセリエAでも得点王に。その後、ドイツにクラブ史上最高額で移籍し、そこでも得点王になり優勝に貢献したというケースもあります。
かさこ:一般企業でもサッカー界のように、もっと柔軟に職場を変えられるようになったらいいと思う。自分の能力や志向やキャリアが、今いる会社と合わなくなるということもあるわけで、いい意味での転職、人材の流動化が進めば、多様な活躍の場が広がりますよね。嫌な上司やアホな経営者がいなくなるまで、そこでひたすら我慢ということもしなくていいですし。
林:ある外国人チームメイトの言葉ですが、「現状を真摯に見つめ、常に向上心を持って取り組まなければいけない。ただ、いろんな監督がいて、望む選手、サッカースタイルが異なれば、そのクラブでは求められないこともある。だから、求められるクラブに移ることはプロとして当然のこと」と言っていたのが印象的でした。
かさこ:一部の金融業界なんかではヘッドハンティングが当たり前で、個人の実力を高く評価した組織に移るということは結構普通にあります。一般企業の硬直化した人材市場では、このままでは個人も組織も沈没してしまう。個人も組織も互いに成長しあい、活性化できるような、フリーエージェントな社会への移行が必要だと思います。今の一般企業は互いに依存しあっているようにも見えますし。
後半につづくhttp://kasakoblog.exblog.jp/18268181/
実際の対談は事前に打ち合わせしていたシナリオから、かなり違ったものになったのですが(苦笑)、台本の方をブログで紹介いたします。
かさこ:サッカーの日本代表戦を見ていると、まだ20歳代の若い選手が、海外の名門クラブを渡り歩くなどして、自分の技術一つでチームを転々と移って活躍している。スポーツ界ではそれが当たり前だが、一般のサラリーマン社会もスポーツ界のように、フリーエージェントな契約社会になっていくのではないかと思っている。そこで本日は元Jリーガーを招いて、フリーエージェント社会が到来した際、個人はどう生きていくべきか、考えてみたいと思う。
林一章さんはFC東京などに所属していた元Jリーガー。ポジションはゴールキーパー。プロサッカー選手になりたくて、大学入学後、サッカー部に入部を申し込んだにもかかわらず、「おまえに実力はない」と門前払い。三重から東京に出てきた林さんは、サッカーができず、夢を失い、でも東京のような大都会の誘惑に負け、しばらくは遊んでいた。でも遊びに虚しさを覚え、なんとしてでもプロサッカー選手になりたいと、ブラジルに行き、サッカー修行。その甲斐あってそこでのがんばりが認められ、Jリーガーになったという経歴を持っている。
そんな逆境から這い上がる力を持った林さんは、なぜJリーガー時代は活躍できなかったのでしょうか?
林:他人の言うばかりを聞き、得られた知識を自分で考えなかったからだと思います。高校のサッカー部でもブラジル時代も、ちゃんと教えてくれるコーチや監督なんていなかった。ただガムシャラに自分の本能の赴くままサッカーをしていた。
ところがJリーガーになったら環境が恵まれている。ちゃんと監督もコーチもいる。素晴らしい先輩選手たちもいる。そこで私は自分を見失い、舞い上がってしまった。
コーチや先輩から、いろんなことを教わった。それを私は自分なりに解釈することなく、なんでもそのまま真に受けてしまった。教わった知識を、自分で考え、判断しなかった。だから活躍できなかったと思うのです。
だってコーチや先輩から、「ほら、ボールいったぞ!動け!」と言われてからあわててボールとりにいったのでは遅い。他人から言われる前に、自分で考え、状況を判断し、瞬時に動く。ブラジル時代には指図する人がいなかったので、自分でできていたのに、Jリーガーになったら他人の指示待ちになってしまったんです。これでは活躍できなくて当たり前です。
かさこ:Jリーガーになることが夢でありゴールだった。だからJリーグに入ったことで満足してしまったのでしょう。でも一般企業に置き換えてもそういうのは多いと思います。大企業に入ることが夢であり最大の目標。だから、就職してしまえば満足で、入社してから活躍することは考えず、会社でいかにラクして働くかしか考えないみたいな。でもサッカー選手の場合、そんなことしたらクビになってしまいますよね。
林:スポーツは実力社会。プロ選手になれたところで、活躍できなければ収入は減るし、チームから追い出されることもある。プロ選手をクビになるかもしれない。そういう危機感は常にありました。
逆に活躍すれば活躍しただけお金という対価がもらえることは、大きなモチベーションになっていました。僕はさほど活躍できなかったので、現役時代に大きな昇給はありませんでしたが、1年で年俸が120万円増えたことが最高。でも友人でもある有名チームのキャプテンは、1年で年俸が1000万円上がったといいます。
さらにサッカーでは勝利給というのがあります。私の現役時代、チームが勝ったら、1試合で50万円もらったこともありました。20分か30分しか出場していない私でも、チームが勝てば50万円ももらえる。これだけの「ニンジン」がぶらさげられたら、そりゃみんながんばりますよね。
かさこ:本来、スポーツの世界だけでなくビジネスの社会、一般企業でもそうあるべきですよね。チームが勝てば選手にも還元される。活躍できなかったら減給する。場合によってはクビにする。でも一般企業となると本来実力社会であるべきなのに、日本的温情主義がはびこっていて、実力がない人材も雇われ続けられるとか、昇給はあっても減給がなかったりして、働く意欲も働かなければならない危機感もイメージしにくい。だから企業も個人もともに衰退しているのではないか。
林:スポーツは勝ち負けがはっきりしているので、チームが強くなるために、いい人材は高い給料で雇うが、活躍できない人材はクビにするこれが当たり前です。
かさこ:そういう労働体系になっていれば、選手のモチベーションも自然と高まりますよね。サラリーマンではさぼっている人もいる。会社にいてもできるだけ仕事をしたくないと思う。それは自分だけがんばってもそれに見合った報酬アップにならないし、がんばらなくてもリストラされたり、減給されたりしないからなんでしょう。でも右肩下がりの日本では、もうそういう時代ではなくなってきた。やむなくフリーエージェントな社会に、ならざるを得ないのではないかと思います。
ただ残念ながら、まだ現状はフリーエージェントな体制になっていない。だから、実力を持った会社員がいても、上司が変わってしまい、その上司がきちんと部下を使いこなせる能力がなかったりすると、もうそれでその部下は「死んで」しまう。もしくは上司が変わると、部下の実力ではなく、好き嫌いで仕事の割り振りをしてしまうということもある。その点、サッカーは自由に移籍しやすいからいいですよね。
林:サッカーだったら監督と方針が合わなかったり、自分を評価してくれるチームでなければ、移るのは当たり前という雰囲気はあります。自分の力を最大限に生かせるチームを探すのも、その人の能力の一つと考えられています。以前、ヴェルディ川崎にマルシオ・アモローゾという、ブラジル人選手がいました。しかし外国人枠の関係でトップチームでは活躍できなかった。でもブラジルに帰ると得点王になり、その後、イタリアに渡るとセリエAでも得点王に。その後、ドイツにクラブ史上最高額で移籍し、そこでも得点王になり優勝に貢献したというケースもあります。
かさこ:一般企業でもサッカー界のように、もっと柔軟に職場を変えられるようになったらいいと思う。自分の能力や志向やキャリアが、今いる会社と合わなくなるということもあるわけで、いい意味での転職、人材の流動化が進めば、多様な活躍の場が広がりますよね。嫌な上司やアホな経営者がいなくなるまで、そこでひたすら我慢ということもしなくていいですし。
林:ある外国人チームメイトの言葉ですが、「現状を真摯に見つめ、常に向上心を持って取り組まなければいけない。ただ、いろんな監督がいて、望む選手、サッカースタイルが異なれば、そのクラブでは求められないこともある。だから、求められるクラブに移ることはプロとして当然のこと」と言っていたのが印象的でした。
かさこ:一部の金融業界なんかではヘッドハンティングが当たり前で、個人の実力を高く評価した組織に移るということは結構普通にあります。一般企業の硬直化した人材市場では、このままでは個人も組織も沈没してしまう。個人も組織も互いに成長しあい、活性化できるような、フリーエージェントな社会への移行が必要だと思います。今の一般企業は互いに依存しあっているようにも見えますし。
後半につづくhttp://kasakoblog.exblog.jp/18268181/



