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荻原博子「マイナンバーカード」に警鐘、還元あってもメリットなし

政府は、マイナンバーカードを持つ人がキャッシュレス決済した際、25%のポイント還元をする方針を固めた。’20年9月から’21年3月まで期間限定での実施だ。その目的は大きく2つあるという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

■マイナンバーカードでポイント25%還元だが、ネックは面倒な手続き

1つ目は、現在の5%(コンビニ等は2%)のポイント還元が’20年6月で終わるため、その後の消費の冷え込みを抑えること。7〜8月は東京五輪で盛り上がると予測し9月から対策を打つようです。

2つ目は、14.3%にとどまるマイナンバーカードの普及率を高めることです(’19年11月1日・総務省、以下同)。

今のところ、SuicaやWAONなどの電子マネーでチャージしたとき、ペイペイや楽天ペイなどでキャッシュレス決済したときに、独自の「マイナポイント」が付与されます。それにしても25%還元とは大盤振舞いですが、ネックは面倒な手続きです。

【1】マイナンバーカードの発行

郵送やスマホからでも申請可能。ただし、できたカードは本人が役所で受け取り、暗証番号を設定。

【2】マイキーIDの発行

手続きには、パソコンだと専用ソフトのインストールや2,000〜3,000円のICカードリーダライタが、スマホだとパソコンとのブルートゥース接続などが必要。WEBに慣れた方の助けがほしい内容です。

【3】決算手段を選択

電子マネーやアプリとマイナポイントと連携させて、やっとポイント還元が受けられるのです。

マイナンバーカードの普及率は、年代別に見ると、60〜80代はその年代の20〜25%が保有しますが、20〜40代は10〜13%。保有者は高齢者に多いといえるでしょう。とすると、WEBに不慣れな方の多い高齢者が、先の手順を踏んで手続きするでしょうか。

いっぽう若い世代も、積極的に手続きするとは思えません。というのも25%還元とはいえ、1人あたりの最大還元は5,000円。面倒な手続きをして、もらえるマイナポイントが5,000円では物足りないと感じるのではないでしょうか。

また、政府のセキュリティ管理に対する不信感も根強いと思います。’07年の「消えた年金問題」などで情報管理の拙さが明らかになり、結果2,000万件がわからずじまいでも、政治家は誰も責任を取らない。私たちは個人情報が詰まったマイナンバーカードを持ち歩くことすら怖いのに、日常的に活用しようとは思えません。

政府はマイナンバーカードの発行を’20年度末に6,000万〜7,000万枚、’22年度末には「ほとんどの住民が保有する」と想定。’21年3月からは健康保険証としての利用も目指しています(’19年9月・首相官邸)。こうした机上の空論が実現すると、本当に考えているのでしょうか。

’20年度は、マイナポイントのために2,500億円もの税金を投入するようです。さらに、システムの構築などにもっと多額の税金をつぎ込んで、かつての住民基本台帳ネットワークシステムの二の舞いにならなければよいのですが。議論の行方を見守りたいと思います。

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