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音楽プロデューサー・佐久間正英氏が語る「音楽業界の危機的状況」

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佐久間正英氏。(撮影:田野幸伸)
佐久間正英氏。(撮影:田野幸伸) 写真一覧

BOØWY、JUDY AND MARY、GLAY、THE BLUE HEARTS、黒夢、くるりなど、数多くのミュージシャンのプロデュースを手がけてきた音楽プロデューサー・佐久間正英氏。音楽業界で長年ビジネスと制作の両面で活躍してきた佐久間氏が自身のFacebook・ブログ連続でアップした「音楽家が音楽を諦める時」「昨夜の投稿の追加文」「音楽における音情報」の3エントリが大きな話題を呼んだ。ビジネスとアートをどう両立させるのか、そして、日本の音楽家や音楽業界が抱える問題について、佐久間氏に話を聞くことができた。【編集部 大谷広太・田野幸伸】

プロデューサーとして感じる”危惧”

—音楽に携わる方には、作詞・作曲家、プロデューサー、レコーディングのエンジニアなど、最終的にパッケージとしてリスナーに届くまでに、多くの職種や役割の方の手を経ていると思います。また、それぞれのお仕事に、ビジネスサイドとアーティストサイドの二軸のスタンスやアプローチがあると思います。

佐久間さんご自身は、作曲者やバンドのメンバーとしてではなく、プロデューサーとしては、どのようなスタンスでお仕事をなさっているのでしょうか。


佐久間氏:漠然としていて、語弊があるんですけど、要は、「いい音楽」を作る、「いい音楽」にしたいということです。

プロデュースという仕事だけに関して言えば、それは、僕にとっての「いい音楽」ではないんです。アーティストにとっての「いい音楽」を作るのが僕の仕事です。だから僕の仕事は、そのバンドをより良くしたい、その舞台をより良くしたい、より良い作品を作りたいというところだけですね。

—曲を作った人やバンドが、何をどのようにアウトプットして、リスナーに届けたいかという、”音の理想像”みたいなもの、”表現したいこと”を形にすると。

佐久間氏:はい。それをどう引っ張り出して、どう整合性を取るか。プロデュースというのは、建築に例えて言えば、現場監督なんです。全体像を見ることができて、図面が読めて。最終的にはネジの1つも落っこちてないようにした上で、引き渡せるようにすると。だから、設計士ではないし、大工でもない。曲に口を出したり、実際に楽器を演奏することで、その”設計”や”大工”の仕事を手伝うときもあるけど。

僕の様なプロデューサーの仕事は、その建物に自分の思い入れを入れ込む、自分はこういう部材を使ったほうがいいと思うとかって口出すことではなくて、設計士から相談を受けた時に初めて、僕だったらこれを使いますね、と言う。そういう仕事なんです。

—今回の佐久間さんのエントリは、どちらかというとアーティストサイドの立場でのお話しのように読んだのですが、反応は、大きく2つあったのではないかと思います。

ひとつは、多額の制作コストがかかっているにもかかわらず、商品は売れないというこの状況に、もっと早く気付いて諦めたらいいのに、という批判です。

そしてもうひとつは、初音ミクを使って、「ボーカロイド作曲・アレンジ講座」を開講したり、ウェブ上で無料で音楽を発表したりと、制作とビジネスの両面で新しい領域に積極的に取り組んでいた、その佐久間さんが「諦める」と書いたことに衝撃を受けたという意見。これは佐久間さんの活動を知っていないとわからないことではありますが…。


佐久間氏:僕はあくまで文化の話として危惧があって、このままだと日本の音楽文化はもっとだめになっちゃうぞ、という話として書いたものです。だから「音楽家が音楽を諦める時」は、ビジネスとしてではなくて、この先、日本の音楽をもっとよくしていくことを諦めなくてはいけないと。そういう意味の”諦める”というニュアンスだったんですね。

だから批判の意見を読んだときに違和感を感じて。よく考えてみたらあの文章を音楽ビジネスの話だと捉えた方も多かったのです。音楽文化の話しだったのですが。

コストの話も誤解を生んだ一因だった様ですが、今は特にコストをかけなくてももちろん制作は出来るわけですし、いかにコストかけないかということも制作者としては大事なことです。

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