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自民党の重鎮が訴える 「9条の改正だけは許さない」

〔以下の書評は、古賀誠『憲法9条は世界遺産』を取り上げたものです。日本ジャーナリスト会議(JCJ)の機関紙『ジャーナリスト』第740号、2019年11月25日付、に掲載されました。〕

 いささかの感慨をもって本書を読んだ。まさか、自民党重鎮の著作を書評することになるとは思わなかったからだ。それも、批判するのではなく評価する立場で。

 講演を基にした本書は示唆に富み、憲法9条の意義と著者の思い入れなどが余すところなく語られている。

 「安倍総理の努力は評価をしなければならない」という点には同意できないが、そういう立場だからこそ、「少しでも憲法9条改正につながるようなことは針の穴程度でもやってはダメ」という主張には説得力がある。

 父はフィリピンのレイテ島で戦死し、未亡人となった母は行商などで働きづめだった。このような未亡人や戦争犠牲者のためにも「再び戦争を繰り返してはならないと思い」政治を志した。

 「だからこそ、私の一番大事な仕事は、わが国が永久に平和であるために努力すること」で、「憲法9条については一切改正してはダメだというのが私の政治活動の原点」なのである。

 「平和の国として不戦を貫くことができ」たのは「憲法9条の力であり、だからこそ憲法9条は世界遺産なのです。これはどんなことがあっても次の世代につないでいかなければならない」「そう簡単に、この憲法9条を改正する議論をやってもらっては困るし、やるべきではない」などの言葉には聞くべき点が多い。

 なによりも自民党など9条改憲に躍起となっている人々に一読を薦めたい。著者の言うように「平和について言うならばみんな一緒」なのだから。(かもがわ出版 1000円)

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