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PTA改革は、教師の多忙化対策にも

 中学校のPTA改革を実行した神戸市の事例を視察した。改革は目的ではなく、学校の保護者の支援が必要と考えた結果が改革になったとの言葉が印象的だった。



■学校の苦悩

 応対してくださったのは書籍「PTAのトリセツ」でも知られている福本靖校長先生だ。

 福本校長は、改革の背景には学校の苦悩がある。多忙化でとにかく時短が求められる一方で丁寧な指導が求められている矛盾がある。さらに、特別配慮が必要な子どもが増えていること、新学習指導要領への対応、拡大し続ける学力格差Eなどなど課題が多く、追いつていないのが実情。文科省は、地域、保護者と連携とは言うが、そんな都合のいい地域はないという。




■保護者の負担感

 では、保護者はどうか。

 福本校長は、働いている方が多く平日はPTAに参加できないことがある。そのことよりも、PTAが形式的で形骸化、やりがいがないことが負担感になっていることが大きい。

 学校に関心がないのではなく、保護者は学校のことを知らないから不要なトラブルが起きてしまう。
 PTAは、任意団体なので学校が業務としてはやってはならない。やってしまうと職務専念義務違反になってしまう。関西ではPTA加入を加入届け出制にしたら2割程度になった例やPTAがない学校があるほどで、学校にとって悩ましいPTA問題となっている。

 さらに、地域活動をしている人たちが高齢化し、なり手不足となりPTAに地域活動を頼むことになる。その結果 高齢者対応をすることになってしまう。自治体主催のイベントへの動員がPTAにの要請され、さらに負担感につながっている。

 このような状況のPTAを改革したいとは、どこの地域でも抱えている課題だ。そこで、どう変えるか? を考えることになった。

■立候補制と負担減

 まず、役員を立候補制などで決定することにした。これは強制することが根源的な問題になるからだ。

 次にPTAの負担感を減少させることを考えた。子どもに関係ないのもの、無駄なものをアンケートで確認したところ、8割ぐらいが無駄と返答だった。そこで削減だけをするとなるとPTA廃止論になるので、PTAとしてやっていることも意義があることと形だけで意味がないことを整理したという。例えば役員だけが参加するものは意味がないので止めるなどだ。

 その結果、PTAにどうしても必要な行事は二つぐらいとなり、他には運営委員会に参加することになった。運営委員会にやりがいができれば、自然と希望者が出てくると考えたからだ。

■やりがいが必要

 この運営委員会は、参加者の言ったことが学校に反映されることが重要で、実現が可能な意見は、次年度に送るのではなくなるべく早く反映していくことで、運営委員会に参加するやりがいにつながっていったと話されていた。

 運営委員会は15時ぐらいから始まり、各報告のほか、フリートークもある。ここで保護者からの疑問、質問から出され、数週間で変わることもあるそうだ。

 例えば、女生徒からスカートではなくズボンにして欲しいとの意見が出されたさいは、希望制でズボンにしてもいいと数週間で決まったことがあったそうだ。寒いという理由があれば、来年に回すのはおかしい。すぐにやるべきだと判断したのだそうだ。

 運営委員会で出された質問や意見は、職員会にも同時にかけ、学校としても協議を同時に進めることでこのようなことが可能になったとされていた。

 話題は、学校ルール、授業内容、行事や部活動についても話題になり多方面にわたっているという。

 そのさい、保護者への対応の基本は、

・速やかに対応。年度送りにしない
・正直で丁寧な説明
・明るく前向きに

 が基本。答えられないものは翌月に対応することにしていると話されていた。

■学校の悩みも話し合う

 運営委員会では学校側から提案することもあるという。

 例えば、通知表に担任が所見を書くようにしているが、褒めるしか書きようがなく形式的になってしまう。そこで、なくすことを提案したところ、この理由を知っているため保護者からはクレームがないそうだ。このことで教師の負担が減ったという。

 また、家庭訪問は希望制にしたところ、1割ぐらいの家庭からしか希望がなかったそうだ。家庭訪問は、50年ほど前に始まったもので、電話もない時代に家にいけるかどうかで考え出されたもの。今の時代にはあっていないから提案したのだそうだ。

 このように学校と保護者が話し合えることで学校、教師の負担も減っている。大切なのは、学校がいきなり決めるとクレームになってしまうこと。
 親は学校ことを知らない。学校や教師の実情が分かっていないからクレームになる。保護者と話せることで、先生が楽になると認識しているとの話も印象的だった。

■PTA改革の柱

 PTA改革の柱は、運営委員会にある、。そして、PTA改革は学校、教師の多忙化を少なくする改革にも結びついている。このことが視察で良く分かった。

 保護者の負担をなくし、やりがいを持ってもらう。そのことが教師の多忙化対策、働き方改革にもなる。校長先生がその思いを持ち行動するかが、キーポイントにはなるとは思うが、教育委員会、議会も同じ方向性で支援ができるようにすることも求められていると思えてならない。

 このような考え方、改革は、武蔵野市をはじめ、他も自治体でも取組める内容だ。

(注)視察は、市議会文教委員会で行ったもの。近く、委員会の視察報告も公開される予定。

【参考】

世論社 『PTAのトリセツ~保護者と校長の奮闘記~ 』

この取組みは、2019マニフェスト大賞、箭内道彦選特別賞を受賞していた

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