- 2019年11月28日 13:35
【読書感想】SNS変遷史 「いいね! 」でつながる社会のゆくえ
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SNS変遷史 「いいね! 」でつながる社会のゆくえ (イースト新書)
作者: 天野彬
出版社/メーカー: イースト・プレス
発売日: 2019/10/10
メディア: 新書
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Kindle版もあります。
SNS変遷史 「いいね!」でつながる社会のゆくえ (イースト新書)
作者: 天野彬
出版社/メーカー: イースト・プレス
発売日: 2019/10/24
メディア: Kindle版
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内容紹介
2004年のmixiからInstagram、TikTokまで、たった15年!
評価も承認欲求も可視化するSNSが、人間関係を一変させた!
mixi、facebook、Twitter、Instagram、LINE、Snapchat、TikTok……。 誕生から、わずか15年あまり。SNSは人間関係を、社会のあり様を、大きく変えた。
情報との出会いは「ググる」から「#タグる(タグ+手繰る)」へ。 コミュニケーションは「テキスト」から「ビジュアル」へ。 ツールの入れ替わりの要因を探るとともに、その裏側にあるユーザーの「承認欲求」と「シェアの心理」の変遷を追う!
◎「最近のSNSには、なんだかついていけない」と思わせる原因とは?
◎ブログや2ちゃんねるが生んだネットカルチャーは、今のSNSにも影響を及ぼしている?
◎「SNS投稿=承認欲求」という単純な図式では、もはやユーザーマインドは理解できない?
◎なぜ若者たちは、InstagramやTikTokにハマっていくのか?
◎仮想通貨、VR、AR……。進化し続けるSNSは、これからどこに向かうのか?
気鋭の若手メディア研究者が、生活に密接したソーシャル・メディアの変遷と展望を読み解く!
SNSって、ついこの間はじまったような気がするのに、いつのまにか「歴史的変遷」を語れるくらいの時間が経ってしまったんだな……と感慨深いものがありました。
Twitterで、「tsudaる」とか、「〇〇なう」とかやっていたのは、もう遠い昔のような気がします。
一つ印象的なデータを添えよう。さまざまな生活者向けのデバイスやサービスの普及スピードを比較するために、ユーザー5000万人を獲得するまでにかかった時間をまとめたレポートがある(Steemit社作成)。それによれば、自動車は62年、電話は50年、クレジットカードは28年、テレビは22年、コンピュータは14年、携帯電話は12年、インターネットは7年、ユーチューブは4年、フェイスブックは3年、ツイッターは2年ということになる。
テクノロジーの普及の速度が、加速度的に上がっていることがわかる──これが世の中の変化が速いなあと感じる要因である──し、フェイスブックやツイッターといったSNSが、いかに圧倒的な速度で普及していったかが見て取れる。
登場から十数年あまりで、SNSは私たちにとっての、日々の情報行動のゲートウェイとして、不動の位置を占めるようになった。
SNSをめぐってはさまざまな解釈が存在するが、ここでは「利用者がアカウントを開設・運用し、テキストや写真、動画などをシェアすることができる、独自の圏域を持つウェブサービスやアプリケーション(アプリ)。特に、アカウントをフォローして継続的にその情報発信をチェックし、つながりを維持できるようなもの」と定義しておこう。ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどをイメージしてほしい。
著者は、パソコン通信や『2ちゃんねる』から、ネットを通じてのユーザー同士のコミュニケーションの歴史を追っています。
日本でmixi(ミクシィ)が生まれたのは2004年のことでした。
そういえば、mixiって最初は招待制で、誰かに招待してもらえないと使えなかったんですよね。
僕もしばらく、「誰か招待してくれないかなー」と、mixiの流行を眺めていた記憶があります。
mixiは、「友達相手の発言」という意識がTwitterよりずっと強かった気がするのですが、「もっと広い世界に向けて発言してみたい」というSNSだったはずのTwitterが、いつのまにか「フォロー外から失礼します」という断りが求められるようになりました。
Twitterは、どこから矢が飛んでくるかわからない怖さから敬遠されるようになり、多くの人が仲間内のコミュニケ―ションをLINEに移行したり、と「再囲い込み」が起こってきた印象もあるのです。
知らない人とつながる、ということにはメリットもあるのですが、いまの世の中では、リスクのほうが高いようにも思われます。
こういうのは、「世界とつながる経験」によって、個人がはじめて実感したことでもあるのでしょう。