記事

なぜタピオカは3回もブームを巻き起こしたか

1/2

タピオカが空前の大ブーム。2019年の流行語大賞やヒット商品番付にノミネートされ、話題になっています。なぜタピオカは何回もブームが起きるのか、今回のブームのあとはどうなるのか、経済ジャーナリストの高井尚之さんと考えます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Makidotvn)

■スタバで「タピオカ好き」を公言

「スタバにも来ますが、いまハマっているのはタピオカですね」

今年(2019年)6月、福岡市内にあるスターバックスの店で話を聞いた女子大生は、こう話しました。スタバのメニューの中で、好きな商品を聞いた時のコメントです。

その4日前、東京・神保町を歩いていて、若い女性の行列を発見。近づいてみると、やはりタピオカ店(「茶咖匠」)に並ぶ人たちでした。

行列ができる茶咖匠の店舗前。筆者撮影

「みなさん、なぜ並ばれるのですか?」(筆者)

「インフルエンサーのオススメをSNSで見て、興味を持って」(若い女性の1人)

こんな会話をしました。以前からタピオカ人気は知っていましたが、この2つの現象が気になり、一度検証したいと思っていたのです。

それ以来、さまざまな立場の人に話を聞きました。あえて、タピオカ専門店の当事者ではなく、カフェ関係者やメーカーや小売関係者。そして学生や若手社会人といった人たちです。今回は生活文化の視点で「タピオカブーム」を考えてみましょう。

■流行語大賞、ヒット商品番付にノミネート

12月が近づき、メディアでは、恒例のユーキャン「新語・流行語大賞」のノミネート語や「日経MJヒット商品番付」(2019年下半期)などが発表されています。

タピオカに関しては、前者が「タピる」(タピオカドリンクを飲む、の意味)でノミネートされ、後者は2位にランクインしました。今回のブームは2017年からのようですが、今年、より注目を浴びたといえます。それがいつまで続くか、少し引いた視点で考えてみます。

例えば「日経ヒット商品番付」は長い歴史があり、以前は横綱・大関・関脇……といった大相撲の番付のように張り出されていました。

筆者の知る限り、1987年の両横綱が最もロングセラーに成長した例です。この年、東の横綱はビールの「アサヒスーパードライ」(アサヒビール)、西の横綱は衣料用洗剤「アタック」(花王)が選ばれました。32年たった現在、スーパードライはビール市場(第三のビールは別統計)の約半数を占め、アタックはグローバル市場を含めた売上高1000億円超です。

2つとも、大手メーカーの量販型商品なので、タピオカとは一概に比較できませんが、スーパードライはそれまで主流だったビールとは違う味が評価され、アタックは従来型洗剤の約4分の1という箱のコンパクト洗剤(粉末洗剤)でした。消費者の「生活習慣を変える」という意味で画期的だったのです。

一方、タピオカは生活習慣を変えたのでしょうか。

■「タピオカブーム」が起きた8つの理由

なぜ、タピオカがブームとなったのかは、これまでも各メディアで検証されていますが、筆者なりの考えを示します。あまり絞らず、あえて8つの点を記してみました。

(1)専門店の仕掛け
(2)商品の見た目のかわいさ
(3)ドリンクとスイーツの両面
(4)インフルエンサーの影響
(5)持ち歩きでも注目度アップ
(6)メディアの報道
(7)アジアンスイーツ人気の歴史
(8)実は茶系飲料

ざっと考えて、これだけの要素を含んでいるのを興味深く思いました。

紙幅の関係で、上記を抜粋して説明します。例えば(3)については、つい最近、ある国立大学の学生から「あれはドリンクなのか、スイーツなのか」という質問を受けましたが、両面あるでしょう。1杯で両方楽しめるのは「フラペチーノ」にも似ています。

また(5)は、生活文化の視点では温故知新な話です。今から40年以上前の1976年に東京・銀座にマクドナルドが上陸。当時「ハンバーガー」の食べ歩きも象徴的な出来事でした。70年代、避暑地の軽井沢では、当時「アンノン族」(雑誌『アンアン』『ノンノ』に影響を受けた女性)と呼ばれた若い女性が、ミカドコーヒーの「モカソフト」を片手に旧軽銀座などを歩きました。「あれは何?」で注目度が上がるのは昔からあったのです。

(8)は今回、大手飲料会社の男性社員も注目していました。茶系飲料の側面がクローズアップされれば、消費者が「緑茶や紅茶などにも注目するのでは」という思いです。

あわせて読みたい

「タピオカ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    昭和の悪習 忘年会が絶滅する日

    かさこ

  2. 2

    「Mr.慶應」性犯罪で6度目の逮捕

    渡邉裕二

  3. 3

    早慶はいずれ「慶應一人勝ち」に

    内藤忍

  4. 4

    医師が語る現状「医療崩壊ない」

    名月論

  5. 5

    再び不倫 宮崎謙介元議員を直撃

    文春オンライン

  6. 6

    宗男氏 桜疑惑めぐる報道に苦言

    鈴木宗男

  7. 7

    感染増の原因はGoToだけではない

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  8. 8

    医師 GoTo自粛要請は過剰な対応

    中村ゆきつぐ

  9. 9

    テレビ劣化させる正義クレーマー

    放送作家の徹夜は2日まで

  10. 10

    貯金がない…京都市を襲った悲劇

    PRESIDENT Online

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。