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【米中のインターネット分断】

分断を意味するsplinterとinternetの合成語のSplinternetは、米中で全く交わらないインターネットが並走すること。

最近、ちょいちょい見るようになりました。来年を代表する言葉になりそうです。

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The Economistの「2020年の世界」特集のThe Splinternet of Things threatens 5G’s potential (IoTならぬスプリンターネット・オブ・シングスは5Gの可能性を矮小化)の中で5GはあらゆるものがつながるIoTに直結するはずなのに中国のファーウェイをアメリカから締め出すという地政学がからみまるで“デジタル版ベルリンの壁(digital Berlin Wall)”だと報じています。

工場が効率化され、自動運転に使われる5Gはアメリカや中国、それにEU市場でも2020年のうちに大規模に商業化される予定だが、5G製品では技術的に優れているファーウェイを安全保障を盾に締め出し、オーストラリアやイギリスといった同盟国に同調を求める一方で、ロシア、マレーシア、ペルーなどはファーウェイを受け入れることから二分化されたIoT(bifurcated IOT)が生まれかねないと指摘。つまり。中国の通信機器を使う国と、アメリカ同様に安全保障上の懸念を持つ国に分かれるというのです。

そうなればデータはひとつのネットワークから別のネットワークにスムーズに移動できず1Gや2Gに逆戻りという米ベライゾンのCEO(前エリクソンCEO)の言葉を紹介。「5Gについて米中が速かに政治決着できなければ2020年はSplinternet of Thingsが到来したとして記憶されるだろう」と締めくくっています。

政治学者でEurasia GroupのIan BremmerTIMEへの寄稿の中でSplinternetという言葉を使っています。

米中対立の最大の原因はテクノロジーであり、この分野で中国はすでに真の超大国だと指摘。テック冷戦でアメリカは中国を打ち負かすことを目指すとしていて、このままでは並列するテック経済圏を意味するSplinternetという考え方(The idea of a Splinternet, the creation of paralleltechnology ecosystems)は、グローバル化に対する脅威だといいます。

Washington PostはEU、ドイツ、ブラジルがアメリカの要請に応じてファーウェイ規制に動きカナダもアメリカになびいていると報じています。

ファーウェイの5G技術がカナダで採用されればカナダの全国民の健康記録、銀行取引、ソーシャルメディアの投稿が抜き取られ、いくら同盟国と言えどそんなカナダにアメリカの安全保障上の情報を提供できないとホワイトハウスの国家安全保障担当顧問のRobert O’Brienが言っているそうです。

これまでにアメリカと足並みを揃えてファーウェイの完全禁止に踏み切った国はごく僅かで、オーストラリア、ニュージーランド、日本だけだということです。

米FCC=連邦通信委員会は今月22日、ファーウェイが地方の通信会社への機器の販売を禁止することを満場一致で決定しています。

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