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平成24年6月27日

造反の本質



 昨日、衆議院本会議で、税と社会保障一体改革関連法案が可決しました。

 前回のこの欄で少し触れましたが、今回の自公民三党合意には、景気弾力条項に名目3%、実質2%という目標数字を残し、かつ成長戦略や事前防災・減災等に関する分野に資金を重点配分することなど、我が国の経済成長等に向けた施策を検討する旨の規定も自民党の要求を踏まえ盛り込まれることになりました。

 社会保障制度に関しても、民主党のいわゆる最低保障年金7万円などのバラまきマニフェストが少なくとも凍結されるとともに、1年以内、すなわち消費増税実施前に諸々必要な立法措置を取ることとし、私たちが恐れていた「増税先行法案」とは言えなくなりました。

 「負担を求めるなら議員定数の削減をはじめ、身を切る改革も行うべきだ」という声にこたえ、選挙制度に関しても、自民党では我々の案(小選挙区、比例区併せて当面35議席削減するとともに、比例区の一部を少数政党枠とする案)と、民主党の主張している小選挙区制度で得票を増やした政党が少なくしか議席を取れない不可思議な「連用制」を比較して集中的に議論することになりました。もちろん他の行政改革についても積極的に提言していきます。

 何よりも重要なのが、これらについての党での平場の議論のプロセスが私たちの要求で実現し、そこで谷垣総裁はじめ執行部から様々な疑問に対する答えが示されるとともに、国益を損ない続ける与党に対して決して救命ボートを差し出すことなく解散を求めていくという決意が示され、大連立(小沢グループを除いた民主党についてでも)を否定する言質を取ったことです。

 もっとももし採決が与党の都合でズルズル遅れるようなら上記三党合意を破棄するべきだと主張しましたが、予定から5日の遅れはギリギリの許容範囲でしょう。総合的に考え、私も賛成票を投じました。

 しかし民主党からは小沢・鳩山両グループを中心に57名という大量の造反が出ました。彼らは「マニフェストに掲げていない増税を行うことは許されない」「景気は増税で腰折れしてしまう」と一見もっともな理屈を掲げていますが、的外れもいいところです。

 まず、民主党のマニフェストは「無駄を16.8兆円削って必要な政策の財源にあてる」というものであって、消費税率を上げないとしてもその16.8兆円の財源を示せないならマニフェスト違反であることは全く変わりません。そもそも小沢グループ自身が、マニフェストに掲げた「ガソリン税暫定税率の撤廃」を早々と破っているのです。
 また、増税が景気を腰折れさせないように上記のように念入りに制度設計しており、もし引き上げが深刻な景気への悪影響を及ぼすようであれば増税を凍結する道も残されているのです。

 要は、今回の造反は、民主党の反執行部が世論に迎合しつつ党内のキャスティングボートを握ろうと企てているというのが実態でしょう。

 造反した議員の中には小沢氏とともに離党して新党を結成する考えを口にする人もいますが、彼らが第三極として生き残れる可能性がどれだけあるでしょうか。石原慎太郎東京都知事は小沢氏との連携に否定的、維新の会の橋下大阪市長も世論を見極めつつ小沢氏との連携については巧みに確約を避けているように思えます。現在の衆議院の小選挙区制度では新党の将来の展望はないのではないでしょうか。
 昨日、小沢氏から数年前「野田は総理にしていい」との発言を聞いたという方のお話を聞きました。そのように小沢氏に一目置かれている野田総理と、小沢氏の側近である輿石幹事長が、小沢氏たちについて除籍などの厳しい処分をするはずはない…そうした読みが安心して57名もの造反議員を生むことにつながったのです。現にインタビューに答えて「私たちが民主党の本流だ。自ら離党するいわれはない」と答えている議員が複数いました。何より小沢氏自らが「当面離党する気はない」と堂々と述べているのです。本心推して知るべしです。

 私たちはこのような動きに関わらず、自ら必要な政策・改革をきちんと進めていくことを心掛けていかねばなりません。そのために私も全力を尽くします。

東電の株主総会など



 今日、東京電力ほか各電力会社の株主総会が一斉に開催されます。東電については国の資本が1兆円投入され、私が主張してきた法的整理が頓挫することが正式に決まるわけです。残念でなりませんが、これで本当に改革が進むのか、原発政策を含め私が事務局長の自民党エネルギー政策議員連盟できっちりチェックしていかなくてはいけません。

 AIJ浅川社長の逮捕に加え、SMBC日興証券をめぐるインサイダー取引の問題化など、金融ガバナンスのあり方が問われています。また、国際社会に目を転じても、ギリシャの破綻はギリギリ回避されたようですが欧州経済は依然予断を許さず、中東情勢に関してもイランの制裁に伴うエネルギー確保の問題やエジプト・シリアの不透明な状況が気がかりです。今の政権にこれらに対処する力があるとは到底思えません。TPPなどの貿易交渉や中国・ロシアの領土をめぐる懸案なども含め、きちんと私たちが対応していかねばならないという使命感を持ち、活動して参ります。

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