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株主優待や配当はコマセ

先日、新聞の看板コラムを読んでいると、「株式投資の配当が重要、それが投資の本流になった」という主旨が書かれていた。専門家が書いたとは思えないくらい、情けない論説である。

日本の株式投資における配当の位置づけは高度成長期を経て大きく変化した。

高度成長期の初期の頃は配当が重視されていた。上場企業であっても、明日潰れてもおかしくないと、投資家が思っていたから。とりあえず配当として、いくらの現生がもらえるのであれば、それが一番だということでもある。

その後、高度成長が実感できるようになり、株式とは値上がりするものだと投資家が悟り始めると、配当が軽視されるようになった。これに対して企業は、いくら儲かっていようがどうしようが、最低限の配当さえ払っておけば投資家が満足すると感じ取り、そう行動した。1980年代後半のバブルの頃がその配当軽視のピークだった。

その後にバブルが崩壊し、日本の株価全般が低迷すると、投資家は再び配当を重視するようになった。それが今でも続いているのだろう。

「でも」と思う。それは、日本の投資家が極端から極端に振れることである。伸びない企業であれば配当重視でもいい。逆に、企業によっては利益を成長投資につぎ込み、投資家に株価上昇をもたらしてくれてもいい。言い換えれば、投資家にとって重要なのは、どの企業にとって配当重視がふさわしく、どの企業が成長重視であるべきなのか、その見極めである。

日本の投資家が時代によって極端から極端に振れるのは、その見極めができていないからではないのか。プロだと自称する投資家にとって、その見極めができていないのであれば、大いに反省すべきだろう。

個人であれば仕方ないかもしれない。株主優待はうれしいものである。かつて(昭和40年代だったか)、わが家に電力会社から大きな唐草模様の風呂敷が届いたことがある。その大きさが宝物的だった。もっとも、その後、その風呂敷の晴れ姿を見たことがない。

スーパーの株式を持っていたことがある。決算期になると割引クーポンが送られてきた。でも地方のスーパーだったので、Kさんみたいに自転車をすっ飛ばして買い物に行くには遠く、いつも知人に進呈していた。

株主優待はもちろん、配当もコマセの類である。王道は株価上昇だろう。思うに、「そんなコマセをくれるくらいなら、ちゃんと経営して株価を上げろや」、「せめてもう少しましなコマセ、つまり配当を増額しろや」と。コマセを撒くのが流行るのは、多分経営者にも自信がないからだろう。

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