記事

百貨店で「生理バッジ」導入。販売店員の声は?

1/2

ほとんどの成人女性に月に一度訪れる「生理」。

女性の日常生活において当たり前のものであり、最近では企業で有給の生理休暇制度を導入しているケースも珍しくない。

一方で、生理は“触れてはいけないもの”という意識もある。自分が生理中であることを周りに知らせることに対して抵抗を感じる女性は多い。

そんな中、老舗百貨店の「大丸梅田店」(大阪市)で「販売員が生理日の時、胸にバッジをつける」という取り組みが始まった。

工藤まおり

恐らく日本の百貨店初であろう、この取り組みの実情を探ろうと現場に向かった。

大丸梅田店で、女性の身体に寄り添った新ゾーンが誕生

2019年11月22日、大丸梅田店5階フロアの一部がリニューアルされ、新ゾーン「michi kake(ミチカケ)」がオープンした。

ミチカケのコンセプトは、『月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う。』

工藤まおり

「女性の性と生理を真正面からクローズアップした現場にしたい」という想いを持った、大丸梅田店の若手メンバーが考えたコンセプトだ。

誕生したこの新ゾーンでは、女性の体のリズムを「もやもや期」「キラキラ期」「ゆらゆら期」「どんより期」と4つの周期に分け、それぞれのリズムに寄り添う商品やサービスが展開されている。

例えば、身の回りを彩る雑貨・アクセサリーやコスメを用意する一方で、「体調や体型の悩み」「生理にまつわる悩み」など人には言いにくい女性特有の悩みに応えたいと、サプリや漢方、生理用品、セルフプレジャーアイテムなども販売している。

店頭に並ぶセルフプレジャーアイテム=工藤まおり

従来の”触れてはいけないもの”だったものが、オープンに百貨店にも並べられることになった。

大丸梅田店の今津貴博店長は、店舗説明会でこう話した。

「本来こういうものは、隠すべきものだと言われていたので、すべてのお客様から受け入れられるものではないと思っています。色々なお叱りも受けるかもしれません。

しかし、昨今のフェムテック(フィメールとテクノロジーを組み合わせた造語であり、月経不順や不妊などの女性に関する健康問題を解決するテクノロジー分野。)の価値観の広がり、女性の性や生理はもっとオープンになるべきではという風潮に若い方から変わってきました。

百貨店という存在が、こういった取り組みを行うことによって、女性の生き方に対する価値観の変化に影響を与えられるのではと考えています」

“生理バッジ”の取り組み

今回の生理バッジの取り組みは、10月15日から始まった、この新ブースのプロモーションの一貫だ。

「生理ちゃん」のイラストが描かれている約3センチ四方のバッジを、販売員が生理中の際に名札の下につける。もちろんあくまで任意で、つけるかつけないかは販売員次第だ。

工藤まおり

ウェブメディア「オモコロ」で連載中の漫画『ツキイチ!生理ちゃん』と大丸梅田店のコラボ企画で、第19話にて、百貨店で生理日バッジが導入されたらどうなるかという内容で物語が描かれている。

この回の主人公は、「ミチカケ」を仕掛けた若手女性スタッフがモデルだ。

https://shopblog.dmdepart.jp/umeda/michikake/seirichan/
https://omocoro.jp/kiji/199147/

本作品内では、「女性の身体に寄り添う」をテーマに売り場を展開していく中で、スタッフ内でのコミュニケーションのひとつとして、“生理バッジ”を提案している。もちろん、強制ではなく任意だ。

「お客様に気を使わせるだけだ」「完全にセクハラだ」という現場や社会の声もありながらも、お客様から悩みを聞き出す導入となったり、スタッフ同士で「今日、早めに帰りなよ」というコミュニケーションが生まれるキッカケになっている。

漫画の締めでは、賛否両論ある中でこの企画を行ったことにより、タブー視されがちな「生理」を、男女で真正面から話し合っている。

今回の生理日バッジの取り組みは、この漫画を作ったことがキッカケだと大丸梅田店広報担当者は話す。

「『ツキイチ!生理ちゃん』と大丸梅田店とのコラボ漫画(第19話)作成の内容を考えるにあたり、会議で弊社の女性社員から『生理の影響で体調が悪く、接客の際につらいことが実はある…』という悩みを聞いたんです。その解決策として『マタニティマークのように、生理がわかるバッジがあったらどうだろう?』というアイディアが生まれました。

実際に現場でも実施してみたらどうなるのだろう?と、ある種、社会実験のような形で、漫画の描写を実際に取り入れてみることにしました」(大丸広報担当者)

会議中のふとした発言から出たアイディアが、少しずつ形になっていった。

百貨店としてはかなりチャレンジングな企画だったが、その小さなアイディアは、大丸梅田店が作り上げているミチカケの世界観とマッチした。

「元々ミチカケという新ゾーンを、女性の体のリズムにフォーカスしたのは、女性の活躍の場がますます増えたことで、これまでにない悩みを抱えているのではという想いのもとだったのです」(大丸広報担当者)

しかし、“生理バッジ”の実現に至っては、文脈的には理解できるが社内でも賛否両論があったようだ。

「社内のスタッフに気遣ってもらえる」「逆に生理が遅れている・止まっている時に心配してもらえる」という肯定的な声がある反面、「恥ずかしい」という声や、男性社員からは、「つけている子に、あえて声をかけて心配するのは変かなと戸惑った」という声もあったという。

社内だけではなく、社会からも様々な声があることは予想していたようだ。

しかしそれでも今回のコンセプトである「あなたのリズムに寄り添う」を、もっと体現化しようと、大丸梅田店は実施を決断した。

あわせて読みたい

「生理」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    野村克也氏「イチローは超一流」

    幻冬舎plus

  2. 2

    安倍首相の虚偽答弁 新たに判明

    田中龍作

  3. 3

    生理の妻へ食事配慮 批判の声も

    BLOGOS しらべる部

  4. 4

    韓国より低成長 認めぬ安倍首相

    PRESIDENT Online

  5. 5

    口座手数料より銀行がすべきこと

    内藤忍

  6. 6

    朝日が早期退職募集 新聞の明暗

    AbemaTIMES

  7. 7

    沢尻被告「つながりを一切断つ」

    AbemaTIMES

  8. 8

    桜追及で越年? 野党の戦略に疑問

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  9. 9

    宗教の垣根超えた中村医師の活動

    AbemaTIMES

  10. 10

    雅子さま「体がガクリ」の瞬間

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。