記事

ふかわりょうをストーカーした元女芸人「自分の中に問題があったとは思っていません」

2/2
母親を含め家族から精神科に通院した方がいいと勧められた件についても話しています。

弁護人「なぜ『病院に行こう』という家族の話を聞かなかったのですか?」
被告人「Aさんに嫌われていると信じたら死んじゃうから。そちらに話を持っていく人はシャットアウト! 命を守るためです」

被告人は病院に行って現実を受け入れたら死んでしまうと考えていたようです。

弁護人「お母さんが何度も面会に来てくれてどう思いましたか?」
被告人「ストレッチの本を持ってきてくれて嬉しかったです。色々気にかけてくれました」
弁護人「今後の生活はどうしますか?」
被告人「新しいアルバイトを見つけたいです。最初はお母さんに迷惑をかけるかもしれないけど、お世話になろうと思います。今はちょっとメンタルが弱っているので。事件前もお母さんは好きだったけど、Aさんが一番だったから、このまま拘置所の中でもいいやと思って、メンタルがズドーンでした。それが今はお母さんのおかげで頑張りたいという気持ちです。最初は迷惑をかけるけど恩返しをしたい」

これで弁護人の質問は終了。検察官の質問に移ります。

被告人「自分の中に問題があったとは思っていません」

検察官「Aさんが神様みたいな存在とお話されていましたけど、相手が嫌っていても好きと思い込んだのはなぜですか?」
被告人「さきほども言いましたけど目が覚めた時、隣にいてくれたことです。あとイベントの時、みんながAさんにベタベタ触るから…」
検察官「それはいいんですよ」

検察官が途中で制してしまったので最後まで聞くことができませんでした。何かあったのだと思います。

検察官「Aさんだけではなくて、他の人に対してもこういうことをしないためにはどうしますか?」
被告人「Aさんに対しては特別な思いがありました。今後はありません」
検察官「じゃあ今、Aさんのことは?」
被告人「考えると悲しいので忘れたいです」
検察官「もし思いを忘れることができなかったらどうしますか?」

ストーカー系の事件ではよくある少し意地悪な質問です。

被告人「記憶が無くなるわけじゃないけど、好きとか神様のような存在という気持ちとはもう違います」
検察官「分からないんですよね。端的に聞きますよ。Aさんのことまだ好き?」
被告人「好きではないです」

これで問題ありませんが、Aさんが一方的に振られました。

裁判官「Aさんに限らず、一人に入れ込み過ぎて犯罪に至ったことは理解しているよね」
被告人「はい」
裁判官「今回の問題はあなたの性格も大きいのかな?」
被告人「本当にそういうのがヘタで、Aさんも私をああいう風にさせないようにしてくれたらよかったのに。検察官の書いた紙を見ると、私が変な人みたいに書いてあって」
裁判官「ちょちょ、ちょっと待って!」

ここまで反省している様子でしたが、被害者に責任転嫁するような発言のため裁判官が慌てていました。

裁判官「自分の中に問題があったとは思えないかな?」
被告人「ない! 私は1つのことに集中しやすいところはあるけれど、今回精神鑑定を受けておかしくなかったはずだし、私もおかしいと思っていません」

「ない」という発言には驚きました。このあと裁判官は少し早口でこう言いました。

裁判官「今後ね、お母さんの勧めでカウンセリングを受けるっていうのはいいんだよね。あと入れ込み過ぎるとこうなってしまうっていうのは分かるね。二度としないっていうのもいいんだよね?」
被告人「はい」

裁判官が一方的にまとめあげていました。裁判官の最初の質問のところで「入り込み過ぎたからこうなった」と認めています。

事実は不明ですが「Aさんに問題があるんだ」と被告人が話していたことが不安でした。検察官はこのあとの論告求刑で「仕事場だけではなく私的な場所にも足を運んでいる。被告人は2年前から付きまといを始めています」ということで求刑は懲役6月。

前科前歴がないため執行猶予はほぼ確定。検察官としては「もし執行猶予付きの判決が出るのであれば保護観察付きの判決を希望する」といいます。被告人は最終陳述で「お母さんから早く自立して恩返しをできるようになりたいので、そうなれるように望んでいます」と述べて閉廷しました。

そして、初公判から1週間後の11月6日に判決が言い渡されました。20席ある傍聴席は開廷の10分前からほぼ満席で1席しか空きがない状況。被告人の母親がギリギリで入廷して着席です。もし入廷できなかったら、法廷の外で誰かが出るのを待つことになります。一番傍聴すべき人が座れて安心しました。

判決は、懲役6月執行猶予3年。検察官は保護観察にすべきと言っていましたが、それは無しという判断です。証人尋問と被告人質問の内容から、母親が十分に監督してくれると裁判官も考えたのでしょう。個人的にもそう思います。神様の代わりになるかは分からないけど、保護司の代わりにはなるでしょうね。

あわせて読みたい

「ストーカー」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    BCG接種 コロナ予防の仮説に注目

    大隅典子

  2. 2

    パチンコはいいの? 関口宏が質問

    水島宏明

  3. 3

    昭恵氏だって…外出する人の心情

    田中龍作

  4. 4

    現金給付の所得制限が生むリスク

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  5. 5

    武漢のコロナ対応「高度だった」

    渡辺千賀

  6. 6

    中高年こそ…叩かれる若者の感覚

    六辻彰二/MUTSUJI Shoji

  7. 7

    「日本の雰囲気軽い」仏紙が指摘

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  8. 8

    NT誌東京支局長の日本非難に苦言

    木走正水(きばしりまさみず)

  9. 9

    知られざる「個人撮影AV」の実態

    文春オンライン

  10. 10

    自粛要請も休業判断は店任せの謎

    内藤忍

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。