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GSOMIA維持……それでも文在寅政権はアメリカに切り捨てられる!「もはや国家としての統制が取れていない」 トランプ政権は同盟国といえども容赦はしない - 「文藝春秋」編集部

 今年10月18日、韓国ソウルにあるアメリカ大使公邸に、十数人の暴徒が乱入した。暴徒の正体は、「親北朝鮮・反米」を掲げる学生グループのメンバーだ。彼らは大使とその家族が暮らす建物の玄関先を占拠し、「ハリスは韓国から出て行け!」「在韓米軍は撤退せよ!」などと1時間以上も叫び続けた。幸いなことにハリス大使と家族は無事だったが、周辺を警備していた警察は、はしごで塀を乗り越える暴徒を止めもせずに傍観し、「はしごを外したら(暴徒が)負傷する可能性があった」「女子学生には身体接触できなかった」などと言い訳した。結局、暴徒が排除されたのは、乱入から70分も後だった。

 駐韓アメリカ大使が狙われたのは、これが初めてではない。2015年3月にはリッパート大使(当時)がソウル市内の朝食会の席で刃物を持った暴漢に襲撃され、頚部と左腕を切りつけられる重傷を負った。傷は頚動脈の寸前にまで達しており、合計80針も縫う大ケガだった。しかも暴漢は「独島(竹島)守護」を掲げる過激派の主宰者で、日本の駐韓大使にも投石していた前科があった。

米国に睨まれる文在寅大統領 ©getty

最新鋭「F-35Aステルス戦闘機」の韓国売却は見直しか

 こうした事態に、アメリカ側の危機感は大きい。

「アメリカ政府は、在韓米軍の家族さえも反米組織からの潜在的な攻撃対象となる可能性があることを認識している。すでに2017年の朝鮮半島クライシス以来、相当数の米軍家族を韓国から避難させているが、残っている家族については避難訓練を緻密に行うことを検討している」(アメリカ・インド太平洋軍関係者)

 守るべきは、在韓米軍の家族だけではない。アメリカは2021年までに最新鋭のF-35Aステルス戦闘機を韓国に40機売却するとしてきたが、「同盟国の大使とその家族の生命を守る意志さえない文在寅政権が、軍事機密の塊であるアメリカの最新鋭兵器のインテリジェンスの保全ができるとは到底思えない」(同前)。

 アメリカ政府はすでにF-35Aステルス戦闘機だけでなく、あらゆる分野の兵器の売却を見直す検討を始めている。

韓国軍とは命を分かち合えない

 最新兵器供与の延期もしくは停止の先には、在韓米軍の撤退あるいは大幅削減がある。だが、それは北朝鮮を利することにはならないのだろうか? この疑問について、アメリカ海兵隊関係者はこう証言する。

「在韓米軍なき後、たとえ朝鮮半島有事が勃発したとしても、日本に海兵隊を展開しておけば、十分に対抗できる」

 つまりアメリカ政府は、在韓米軍を撤退させることによるリスクよりも、韓国に米軍を駐留させたままにしておくことのリスクのほうが大きいと判断しているのである。

「乱入事件の後、何の改善策も示さない文在寅政権は、もはや国家としての統制が取れていない、との認識にアメリカ側は至った。警察も統制できないのに、軍を統制できるはずもない。つまり、乱入事件によって、韓国軍と命を分かち合うことに拒絶感が発生している」(前出、アメリカ・インド太平洋軍関係者)

 かつてのアメリカであれば、こうした韓国側の仕打ちにもじっと耐え、駐留を続けたかもしれない。

 だが、トランプ政権は、同盟国といえども容赦はしない。

「切り捨てられる姿が想像される」

 今年10月にアメリカ軍がシリアから撤退した後、トルコはシリア北部のクルド人地区に軍事侵攻を開始した。するとアメリカはトルコに配備してきた戦術核兵器約50発の撤収を即座にチラつかせ、トルコを強く牽制したのだ。もしこれほどの量の戦術核兵器がトルコから撤収されたら、戦力の空白化が起こり、トルコをめぐる情勢は著しく不安定となる。このアメリカ側の姿勢に、トルコは震撼した。

 アメリカが強い姿勢に出た背景には、近年トルコがロシア製迎撃ミサイルシステムを導入し、アメリカ軍の防衛計画がロシアに筒抜けになっているのではないかとの疑念がある。つまり、「トルコは西側から離脱しようとしている」という点を重大視しているのだ。

 あるアメリカ軍関係者は、そんなトルコと韓国を対比しながら、こう語った。

「アメリカにとって同盟国であるにもかかわらず敵性国と緊密となる姿は、文在寅政権と二重写しとなり、切り捨てられる姿が想像される」

 ……では在韓米軍撤退後、日本はどうなるのか? 詳しくは「文藝春秋」12月号および「文藝春秋digital」に掲載の麻生幾氏のレポート「在韓米軍撤退へ 韓国は米国に切り捨てられる」をお読み下さい。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年12月号)

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