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なぜ人は"ボーナスで大きな買い物"をしがちか

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もうすぐ冬のボーナスが支給される時期。家電など高額の商品を買おうと計画している人も多いのではないでしょうか。なぜ私たちは、ボーナスで“大きな買い物”をすることには心理的な抵抗をあまり感じないのでしょう。行動経済学の視点で解説します。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/frema)

■年末商戦は例年以上に活発になる可能性

もうすぐボーナスの支給されるシーズンがやってきます。いつもながら心がウキウキする時期ですね。今年は10月に消費税の引き上げがありましたが、今のところ増税後に大きく消費が落ち込んでいるということもなく、むしろ株式市場も順調に推移していることから、心理的には年末商戦も例年以上に活発になるかもしれません。

また、それに加えて今回は増税後の消費の落ち込みを防ぐべくキャッシュレス決済によるポイント還元が行なわれたために、これも消費が順調になっている要因のように思われます。経済全体で言えば、消費が拡大するのは結構なことですが、個人の財布を考えると調子に乗ってお金を使い過ぎることは注意しなければなりません。特に最近のスマホによるQRコード決済は、従来の交通系電子マネーと同様、お金を使うことに伴う、“お金が出て行くという心の痛み”を感じるのが希薄なためについ使い過ぎてしまう可能性はおおいにあります。そういう無駄の積み重ねは決してバカになりませんので注意すべきだと思います。

まもなく手にするであろうボーナスはもっとくせ者です。中でも最大の敵は「衝動買い」です。ボーナスでふところが豊かになるわ、町では魅力的なセールをやっているわ、ということになれば、ついつい衝動買いをしてしまうのはある程度やむを得ないことでしょう。

■人は簡単に買い物の鉄則を忘れてしまう

一般的に買い物の鉄則は、「良いか、悪いか」で考えるのではなく「必要か、不要か」で考えるべきだということがよく言われます。これはたしかにその通りで、「買おうかな」という意欲が出てきた時点で、「良い」と思っているからそう考えるわけです。したがって、「良いか、悪いか」で考えれば、“買った方が良い”に決まっているのです。冷静に考えるためにはその品物を買うことが必要かどうかで考えるべきなのですが、残念ながら、そこまで冷静に考えることができないのが普通の人間です。だからこそ、衝動買いが起きてしまうのです。特に家電製品や高額の商品などについては、ボーナス時期は警戒が必要です。

そこで今回は、ある心理的な現象を使って買い物の判断を慎重にすることができるという方法をお話します。その心理的現象とは「メンタル・アカウンティング(心の会計)」といわれるもので、以前このコラムでも説明しました(「普通の会社員がお金持ちになる唯一の方法」)。

本来、お金に関する収支の計算というものはトータルで考えていかなければ意味がありません。ところが人間は、心の中で勝手に会計勘定を作って利用目的別にお金を仕訳してしまうという傾向を持っています。例えば消費目的の勘定から支出するお金についてはあまり抵抗なく使ってしまうのに対して、資産形成を目的とする勘定から消費のためにお金を出すということについては大きな抵抗感を感じるのです。

■“大きな買い物”に抵抗がなくなる理由

ちょっと具体的な例で考えてみましょう。普通、サラリーマン家庭が何か大きな買い物をするのは一体どんな時でしょうか。まとまったお金が入った時、例えば定期預金の満期やボーナスをもらった時でしょうね。長年使っていた冷蔵庫やテレビもそろそろ買い替えを検討するようになってきたとします。

ところが、壊れて使えなくなってしまったのでなければ、すぐに買うというケースはあまり多くないように思います。「ボーナスが出るまであと少しだからそれまで待った方がいいんじゃない?」という会話が交わされることが多いでしょう。逆に言えば、“ボーナスで大きなものを買う”というのは夫婦間でコンセンサスができていることなので、多くの家庭では割と抵抗なく実行することができます。この場合のメンタル・アカウンティングは、ボーナスというキャッシュを消費勘定と貯蓄勘定に分け、消費勘定から支出をすることになるのです。

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