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ラリった中学生が軍人を襲撃…北朝鮮「薬物汚染」の末期症状

北朝鮮では、若者と朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士の間での乱闘がしばしば起きている。

今年4月、首都・平壌のレストランで、朝鮮人民軍第7総局の中隊長、小隊長らと隣席の大学生グループで口論となり、乱闘へと発展したが、軍人だけが処罰され、大学生は幹部の子息だったため処罰を逃れた模様だ。

(参考記事:北朝鮮軍人と学生グループが大乱闘。しかし処罰されたのは…

売春とセットで

北部の両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)でも今年9月、若者と兵士との間で乱闘騒ぎが起きた。出動した保安員(警察官)が目の辺りにしたのは異様な光景だった。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、中学生5〜6人がアヘンを注射しつつ通りを闊歩していたというのだ。彼らはラリった状態で、通りかかった兵士らに襲いかかり暴行を加えた。保安員の出動後も、彼らは周りの物を破壊するなど乱暴狼藉を働いた。

保安員10数人が追加で出動しようやく彼らを制圧、逮捕した。取り調べで彼らは数回に渡ってアヘンの吸引と注射を繰り返しており、中には中毒との診断を受けた者もいた。

今回の事件を受けて学校では、アヘンの危険性について教える授業が行われたが、「アヘンは麻薬ではなく治療薬や気分転換のための医薬品という考えを持っている中学生がほとんど」(情報筋)だったという。

情報筋は「取り締まりで中学生が好奇心でアヘンに手を出すことのないように強力な措置が必要だ、15歳の中学生にアヘンを売る売人も一網打尽にすべきだ」と懸念を示した。

(参考記事:「この国はもうすぐ滅びる」北朝鮮国民が嘆く薬物汚染の末期症状

北朝鮮では以前から薬物が蔓延している。北朝鮮人権情報センター(NKDB)が2016年に脱北者を対象に行なった聞き取り調査の結果、全体の3割以上が薬物を使用した経験したと答えている。また、やはり北朝鮮社会を蝕む売買春も、薬物とセットで拡大している。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

そもそも、北朝鮮を薬物中毒国家にしたのは歴代の最高指導者たちだ。

ソウル五輪に対抗するため、1989年に平壌で開いた第13回世界青年学生祝典の負債が国家財政に重くのしかかったうえ、共産圏の崩壊で援助も停止。クビが回らなくなっていた金日成主席は、国家的にアヘンを栽培するよう指示を下し、両江道の普天(ポチョン)郡儀化里(ウィファリ)をアヘン農場に指定した。

栽培は成功し莫大な外貨を稼ぎ出したが、アヘンは国内にも流通し、多くの中毒者を生んだ。金正日総書記は、中毒者を見せしめで集団処刑し、アヘンより管理しやすい覚せい剤の製造に重きを置くようになったが、今度はこれが国内で蔓延した。

2007年2月には、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の朝鮮民主女性同盟会寧(フェリョン)市委員長が、人民武力省傘下の貿易会社社長の夫らと共謀し、覚せい剤を密輸、密売していたことが発覚し、逮捕されている。

(参考記事:北朝鮮の現職市女性同盟委員長の自宅から覚せい剤15キロ発見

北朝鮮当局は「苦しいときの麻薬頼み」から抜け出せていないようで、国際社会の制裁による外貨不足から抜け出すべく、アヘン栽培に再び力を入れているようだ。平安南道(ピョンアンナムド)の高級中学1〜2年生(14〜15歳)の生徒の大半が、両江道(リャンガンド)、咸鏡道(ハムギョンド)の大規模なアヘン農場に動員されたと伝えられている。

(参考記事:外貨不足の北朝鮮、子どもたちを「アヘン栽培」に強制動員

※デイリーNKジャパンからの転載

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