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家族経営の農業は減少も、衰えない異業種参入で農業市場は拡大

 家族規模で農業を営む事業者が減少傾向にある中、企業による農業事業への参入が増えている。農業の将来像が変わりつつあるようだ。

 農林水産省が6月28日に発表した「平成31年農業構造動態調査(平成31年2月1日現在)」の結果によると、全国の農業経営体数は118万8,800経営体で、前年に比べて2.6%減少した。また、5年前となる平成27年の農業経営体数は137万7,300経営体で、減少傾向が続いている。農業経営体とは、農産物の生産や委託を受けて農業作業を行う事業者のうち、経営耕地面積が30アール以上など一定の規模で農業事業を行う事業者のこと。



 平成31年の農業経営体数の内訳は、家族経営体が前年比2.7%減の115万2,800経営体で、平成27年の134万4,300経営体から大きく減少している。他方、組織経営体数は同1.4%増の3万6,000経営体で平成27年の3万3,000経営体から増加し、また、組織経営体数の中でも農産物の生産を行う法人組織経営体数は同3.1%増の2万3,400経営体で、平成27年の1万8,900経営体から増加している。



 一方、矢野経済研究所は11月8日、国内有力企業(異業種参入企業・以下同じ)における農業ビジネス参入動向調査の結果を発表した。調査は農産物の生産・販売などの農業ビジネスに参入している国内有力企業や国内関連諸機関などを対象に、3月から6月にかけて実施された。

 国内有力企業における2018年度の農業ビジネス市場規模(売上高ベース)は697億5,300万円と推計され、前年度の645億7,900万円から拡大した。2013年度の市場規模445億3,200万円と比べると、2018年度は1.56倍の規模に成長している。



 2018年度の農業ビジネス市場の内訳は、農地リース(一般法人)が295億5,000万円、太陽光利用型栽培施設が212億4,100万円、農地所有適格法人(農業生産法人)が112億3,200万円、完全人工光型植物工場が59億6,900万円、太陽光・人工光併用型植物工場が17億6,100万円だった。

 注目されているのは農業生産法人以外の一般法人で、2009年12月に改正農地法が施行されたことにより、賃借(リース)であれば農地を適正に利用するなど一定の要件を満たせば全国どこでも参入可能となり、参入企業の増加が続いている。

 農林水産省のデータによると、農地法改正以前の2003年4月から2009年12月までの約6年半の間に参入した法人数は427法人、一方2009年12月から2016年12月末までの約7年で、新たに2,249法人が参入している。



 農地を利用して農業経営を行う一般法人数は2017年12月末現在で3,030法人となっており、一般法人の農業参入(3,030法人)を営農作物別にみると、野菜は1,246法人の41%、複合経営が522法人の17%、米麦等が558法人の18%、果樹が382法人の13%などとなっている。

 2019年度の農業ビジネス市場規模は、異業種企業における農業参入の意欲は衰えていないことから774億4,100万円が見込まれ、2024年度には1,277億1,600万円まで拡大すると予測されている。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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