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ヤフー&LINEの統合に思う「期待」と「懸念」

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LINEはソフトバンクの戦略をどこまでけん制できるか

信用スコアリングビジネスで先行する中国では、独裁経営者ジャック・マー氏率いるアリババグループが保有する膨大な個人情報を元にグループのQR決済会社アリペイが芝麻信用なる信用スコアリングサービスをおこない、利便性向上とは裏腹に大きな問題が発生しています。

自社利用実績に応じてスコアが打ち出される芝麻信用で一定以上のスコアが取れない利用者は、希望するホテルに泊まれない、家が借りられないなどの逆差別の発生です。巨大情報産業が力を持ちすぎたがゆえに、自社の利益のための個人情報の活用法に問題が生じている実例であると言えます。

意図的であるか否かにかかわらず、独裁経営に個人情報を委ねるリスクは大きく、その情報が膨大であるほどリスクもまた大きくなります。企業利益と情報戦略の関係は非常に難しい問題であり、巨大情報産業であるメガプラットフォーマーの出現はただでさえ大きなリスクを抱えている上に、孫正義氏が優れた戦略家であるがゆえ、その独裁経営に膨大な情報を委ねてしまうリスクの大きさには「不安」という言葉が大きく浮かんでくるのです。

せめてもの救いは今回50:50の経営統合であり、買収ではないという点。しかし、実質的にはLINEの業務がソフトバンクの戦略に組み込まれる点は否定できません。果たして、LINEのけん制がどこまで効かせられるのか。

ちなみにジャック・マー氏は、「アリババは個人の資質に依存した体質から、組織や人材、カルチャーを軸とした企業へとステップを登ります」とのコメントを残して、今年9月54歳の若さでトップの座を降りています。孫正義氏がいつそれを悟るのか、統合の成否はそこにかかっているように思います。

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