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【台風19号水害シリーズ3】千曲川の洪水を防ぐには川を流れやすくするしかない。-川の掘削・浚渫、大滝ダムの撤去、二つの狭窄部の改修が必須-

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<何の役にも立たなかった浅川ダム>

 あまりにも強烈だった穂保の破堤で忘れられているが、実は決壊と丁度同じ頃浅川排水機場付近で内水氾濫が始まった。ところが、水を貯めない穴あきダムの浅川ダムは、その名の通り貯水効果はゼロで、最大体積7.8m3の水がただ通過しただけだったのだ。(「週刊金曜日 19.10.25 千曲川決壊と北陸新幹線車両が浸水したワケ」(まさのあつこ))大きなダムで貯水量が源流の水位を下げるぐらいでないと、ダムは洪水防止にほとんど役立たないことを浅川ダムは証明してくれたのである。ところがこのことはもともと役に立たないことがわかっていたのか誰も触れていない。

<鮭の遡上する川に戻す>

 また、県境にある西大滝ダムを撤去すれば土砂が自然と流れるようになり、人工的に川底の掘削する必要性が少なくなる。山の生態系を変え、水田を放棄し、水路をコンクリート化し、ダムを造りと、我々はあまりにも自然を変えすぎたのである。この二つのダムにより、かつては数万匹遡上した鮭も通れなくなり、昔の生態系をこわしている。一応魚道は設けられているが、形だけであり遡河性魚(鮭のような遡上する魚)がどんどん遡上できる仕組みにはなっていない。

ダムの撤去により鮭も遡上するようになる。昔は、新潟県の宮中ダムもなく、鮭が普通に千曲川を遡上していたのである。大熊新大名誉教授にいただいたメールには、今年は宮中ダムの11月4日までの鮭の遡上数は355尾を超えたという。西大滝ダムは11月2日で3尾である。
 これを機会に一気に自然を取り戻す必要がある。この件は『ダムは国を壊す』(今本博健京都大学名誉教授著)に詳しい。SDGsが叫ばれる今、二つのダムを撤去すべきなのだ。

<洪水をおこす流れを変える>

 次に考えられるのは、洪水が起こらないように流れを変えることである。
 江戸に城を造った徳川家康は利根川の洪水から江戸を守るため銚子に流れを変えている。いわゆる利根川東遷事業である。400年前に洪水防止事業に手をつけ、その後も着々と続けたのである。当時の土木技術は今と比べ話にならない。それでも当時でも世界一の人口を抱える大都市となった江戸を守るため心血を注いだのである。

越後平野は信濃川により運ばれた土砂が堆積してきた沖積平野であり、洪水が頻発し悩まされていた。16世紀末から分水の話が出ては消えた。1924年ようやく大河津分水路が竣工され、1931年に開始した。またその後も試行錯誤を続け1972年に河口から10km上流に関屋分水路が造られている。このため、上流の千曲川流域では度々水害に見舞われるが、越後平野も新潟市も免れているのだ。

<二つの狭窄部の同時改修>

 これにならって長野県の千曲川では、立ヶ花の狭窄部、そして次は飯山の戸狩の狭窄部をなくすしかない。この二カ所の掘削工事は同時に行わなければならない。費用は嵩むが、国民の命と財産を守るのは国の責務であり、何よりも優先して取り組まなければならないことだ。

 ただこれにより更に下流の新潟県は洪水の危険が多少ますが、上記分水路を拡張するなどの手立ても一緒に講ずれば、千曲川の治水が達成されることになる。

<防衛も大切だが防災も同列に論ずべし>

 上記二つの狭窄部の工事には多額の予算が必要である。しかし、何十年かに1回住宅も畑もメチャクチャにされるのを防ぐことが先である。例えば、今国家プロジェクトとしてリニア新幹線の工事が進行中である。これまたあったにこしたことはないが、必要不可欠でもない。

総工費は9兆円だという。必要な理由の一つに南海トラフ地震があった時に、止まってしまう東海道新幹線の予備として必要だという。それなら千曲川の河川改良こそ防災にすぐ必要なのだ。そして予算は何十分の一か何百分の一ですむことではないか。

 安倍首相は侵略してくる国から日本人の生命財産を守ることにはことのほか熱心だが、災害から守ることも同列に扱ってもらわないとならない。オスプレイは1機100億円以上となり諸経費を含めると200億円を超えるという。「遠い防衛」より「近い防災」に先に手をつけても罰は当たるまい。

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