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「残業はどれくらいありますか?」という質問しちゃいけないの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
前回「ここ10年で若者の労働観が大きく変わりつつある」という話をしたところ、予想外に大きな反応がありました。

「まったくその通りで最近の新人は何を考えているのかまるでわからない。宇宙人みたいだ」
「従来のマネジメントがまったく通じないので困っています」

といったレスが目立ちましたね。拙著「若者はなぜ3年で辞めるのか」は年功序列・終身雇用制度にミスマッチし始めた世代のリアルを描いたものですが、現在の20代はそこから一歩踏み込んだ独自の価値観を持ち始めているとも言えます。

というわけで今回はもう少し踏み込んで若手と会社の関係をまとめてみたいと思います。

労働環境について尋ねることがタブーではなくなったわけ

従来、(新卒、中途を問わず)日本企業での採用面接においては「残業は多いですか?とか有給はどれくらい取れますか?といった後ろ向きの質問はNG」とされてきました。

筆者も10年以上前だったらそういう趣旨のアドバイスくらいしたと思います。

なぜか。終身雇用って従業員の滅私奉公が前提なんですね。滅私奉公=無制限の引き受けなわけです。

残業を嫌がるとか隙あらば有給を消化したがるというのは、もうその時点で自分と会社の間に線引きしようとしてるわけですよ。だからネガティブに評価される傾向があったわけです。

でも、現在はパリッとして普通にどこの大手からも内定が取れそうなMARCH以上の人材がサラリと「残業はどのくらいあるんでしょうか?」的な質問をしてくるわけです。

それは要するに、少なくとも彼ら若手の中では、“就職”という行為が滅私奉公からただの契約に緩やかに移行しつつあるからなんですね。契約なら自身の労働条件をしっかり確認するのは当たり前の話です。

むしろ自己管理がきっちり出来る人材として評価されるべきだと個人的には考えていますし、同じように考える企業も増えつつあるなと感じています。

今、企業は働き方改革を通じて、なんとか従業員の生産性を向上させようと躍起になっています。無駄な残業を減らし、空いた時間でより付加価値の高い業務に取り組んでほしい。そのために自発的にスキルアップもしてほしい。そういう時に必要なのは「なんぼでも残業いけまっせ」という人材ではなく、しっかり自己管理ができる人材なわけです。

だから、新卒でも中途でも、聞きたかったらいくらでも残業や有休について聞いてみればいいと思いますね。だって当然の権利なんだから。

なんてことを言うと「そんなこと言って、面接官が昔気質の人で落とされたらどうするんだ」なんて心配する人もいるかもしれません。

別にいいんじゃないですかね。この売り手市場、ダメな会社の方から手を引いてくれたと喜ぶべきでしょう。

むしろ企業側はいまどき残業敬遠や有休取得にネガティブイメージを持つ面接官がいるなら見つけ出してとっとと更迭すべきでしょう。

「面接で『残業多いですか?』って質問したらダメ出しされて落とされたわ」なんてSNSに晒されたら、もうその年の採用活動は上がったりでしょうから。

売り手市場では「この会社は働き方改革に向き合っているか、ポスト終身雇用にシフトできているか」を会社側もしっかりとチェックされているということです。

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