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【読書感想】元社長が語る! セガ家庭用ゲーム機 開発秘史

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 著者は、サターンとプレイステーションが覇権を争っていた時代、半年に一度くらい、ソニーの久夛良木さん(プレイステーションの生みの親)と2人きりで食事をして、さしさわりのない範囲で情報交換をしていたそうです。

 そんな中で久夛良木さんに、「秀樹ちゃんね、俺に勝てるわけないじゃない」といわれた。「半導体どっから買っているの? 日立から買っている。ヤマハから買っている、CD-ROMはどうしている? みんな買っているでしょ。日立から買うってことは、日立も利益出しているでしょう。カスタム品にしても何にしても、うちは自分で作っちゃう。工場もあるもんね」。

 ソニーは全社の売上が3兆円ある。さまざまなハードを作っているから、CD-ROMを自前で手配できる。中新田あたりにどでかい工場があって、そこでオーディオ機器を作っている。半導体の工場も持っている。そこのラインにのっけてしまえばコストのストラクチャーが全然違う。

「だから秀樹ちゃん。もう半導体なんかやめなさい」といわれた。ソフトだけやるのであれば、ソニーとしてもそれなりに優遇するから、と。

 セガも、コストダウンのためにさまざまな努力をしていたことを著者は証言しています。
 しかしながら、家庭用ゲーム機に必要なパーツのほとんどを社内で調達できるソニーに比べると、外注するしかないセガは、あまりにも不利でした。

 そして、セガには、宮本茂さんも横井軍平さんも、岩田聡さんもいなかったのです。
 ゲームソフトも、ひととおりのものは自社内で開発できてしまうがゆえに、サードパーティに思い切って「任せる」ことができなかった。

 セガの場合は、アメリカでジェネシスがもたらした「成功体験」があったがために、「やればできるはず」と、なかなかハード事業からの撤退に踏み切れなかった、という面もあったそうです。
 成功体験は、ときに、より大きな失敗の原因になってしまうことがあるのです。

 カセットビジョンの頃から、日本の家庭用ゲーム史をリアルタイムでみてきた僕にとっては、ものすごく興味深かったし、懐かしい気分にもなりました。
 それと同時に、「セガの家庭用ハードが敗れたのは、必然だったのだな」と、ようやく合点がいったのです。
 頭ではわかっても、「こんなに面白いのに、なんで任天堂やソニーに勝てないんだろう」と思っていた頃の自分を消し去ることはできないのだけれども。

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