記事

『女ともだち』と『82年生まれ、キム・ジヨン』

1/2

 共産党が主催するジェンダー問題の学習会に参加した。講師は共産党中央委員会 政策委員会事務局次長・坂井希である。

www.jcp-kyoto.jp

(上記の京都の講演会ではないが、各地で行われている同趣旨の講演に参加した)

 会場では「年配者の多い党支部では、どう学習したらいいかわからない」という質問がいくつか出ていた。坂井はあまり難しく考えずに学習会をやってみると、参加している活動家たちの、男女を問わない(ジェンダーに関する)積年の思いなどが出てきて、そこに自分史や政治・政党参加のきっかけの話に発展し、思わぬ「共産党を語る集い」みたいになるよ、という趣旨のことを述べていた。

 また、坂井は、「ジェンダー平等」という課題は安倍政権をはじめとする政治に問題の根源があるものの、それを批判して終わるものではなく、むしろ社会の中の課題として解決される側面が大きく、たとえ共産主義者といえども(だからこそ?)どうしても自分の生活や考えを見直すことがなければ掘り下げた話にはならないと強調していた。

 そのような話はぼくにとっても興味深かったのだが、ぼくと同世代くらいの女性活動家が、そうしたジェンダー学習会がうわっすべりな「(自分とは関係のない)政策学習会」にならぬようにするために、「チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んでもらうといいのでは」と語っていたことを思い出した。

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
作者: チョ・ナムジュ,斎藤真理子
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2018/12/07
メディア: 単行本(ソフトカバー)
この商品を含むブログ (2件) を見る

  個人史の中に随所にあったはずの、女性としての生きづらさを、読んだ韓国の女性はもとより、日本の女性たちも想い起すようである。

 ただ、やはり韓国の話ということもある。男性であるぼくなどは、真っ先にまずは韓国と日本の比較に目が行ってしまった。

 また、小説を読んでもらうというのはそうはいっても学習会参加者全員にお願いできるわけではないので、ぼくなどは柴門ふみ『女ともだち』を読んでもらったらどうだろうかと思いついた。

女ともだち (柴門ふみ) コミック 1-5巻セット (双葉文庫―名作シリーズ)
作者: 柴門ふみ
出版社/メーカー: 双葉社
発売日: 1994/11/01
メディア: 文庫
この商品を含むブログを見る

 『女ともだち』は1982年から1988年まで「別冊漫画アクション」に連載された短編集である。柴門が1994年の双葉文庫版あとがきで次のように述べている。

 「女ともだち」のシリーズを開始したのは一九八二年、今から十年以上昔のことです。当時の女性をとり囲む状況は今よりずっと悪かったように思います。職業選択の幅も狭く、(男女雇用機会均等法も実施されていなかった)社会に参加しようにも多くの困難を抱えていました。

 だから、当時青年コミックを読むおとなの男性の多くの女性に対する認識は、〈妻か、水商売の女か〉ぐらいの認識しかできていないのではないか、という疑念が私に生じたのでした。(柴門『女ともだち』5巻、双葉文庫、p.249)

 一読、その息苦しさに唖然とする。 ぼくは2003年にそのことをネットに書いたが、すでに16年前にして当時の女性たちの閉塞に愕然としている。

www1.odn.ne.jp

あわせて読みたい

「ジェンダー」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    国内外で「ナカムラ」の死悼む声

    BLOGOS しらべる部

  2. 2

    年収10倍のマイホーム購入は危険

    内藤忍

  3. 3

    森ゆうこ氏の情報漏洩は人権侵害

    塩崎恭久

  4. 4

    韓国で成功諦める低所得層の実態

    ロイター

  5. 5

    馬毛島の買収は高評価されて当然

    原田義昭

  6. 6

    政府が26兆円の経済対策を決定

    ロイター

  7. 7

    よしのり氏 中村医師の死は残念

    小林よしのり

  8. 8

    HIV新規感染 7割が男性同士のSEX

    AbemaTIMES

  9. 9

    織田信成を告発 モラハラ受けた

    NEWSポストセブン

  10. 10

    薬物で息子2人を失った母の告白

    木村正人

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。