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「女性・女系天皇」の議論 カギ握る秋篠宮家の処遇

結婚の行方を全国民が見守っている(写真/共同通信社)

佳子さまもいずれは…?(写真/共同通信社)

 新天皇即位の祝賀ムードの一方で、令和の皇室がいくつかの難題に直面していることもまた事実だ。その中心にいるのが、「秋篠宮家」だ。秋篠宮は皇位継承順位第1位の「皇嗣」となるが、高齢で即位することの難しさを語ったと報じられており、“即位辞退”の現実味を突きつけられた格好となる。ただし、現行の皇室典範では、皇位継承順位を飛ばす即位辞退は不可能だ。

【写真】手をふる佳子さま

 そしてもうひとつ、浮上しているのが「女性宮家」を巡る議論だ。即位を祝う「祝賀御列の儀」が行なわれた11月10日のまさに当日、時事通信はこう報じた。

〈安定的な皇位継承の確保策をめぐり、政府内で「女性・女系天皇」の議論を先送りする一方、女性皇族が結婚後も皇籍に残る「女性宮家」を容認する案が浮上している〉

 翌日の会見で菅義偉官房長官は「女性宮家容認案」の存在を否定したものの、安定的な皇位継承のための議論は進めていくとした。この議論もまた、「秋篠宮家」の処遇を巡る問題といえる。

 女性皇族が一般男性と結婚した場合、現行制度のもとでは、皇室を離れる。秋篠宮の長女・眞子内親王、次女・佳子内親王が20代半ばと結婚が考えられる年齢を迎え、公務を担う皇族が減り続けることになる。その対策として、女性皇族が結婚後も宮家の当主として皇室に残れるようにする──というのが「女性宮家創設」の議論である。

 2005年に小泉内閣のもとで「皇室典範に関する有識者会議」がまとめた報告書には、女性皇族は結婚後も皇室にとどまり、その配偶者も皇族とするという内容が含まれていた。この時の議論は2006年に悠仁親王が誕生して、事実上白紙に戻ったが、令和の時代となり、その議論が再燃した状況だ。

「ただ、“新たな論点”となり得るのが、2017年9月に眞子さまとの婚約内定が発表された小室圭氏の存在です。発表後、小室氏の母・佳代さんの金銭トラブルが表面化。今後、2005年の報告書に沿ったかたちで皇室典範が変われば、眞子さまとの結婚後には、小室氏が皇族になる。国民的な反発感情が広がらないかという懸念がある。眞子さまと小室氏の結婚後に制度が変わればそれは避けられるが、今度は眞子さまは一般の人に、佳子さまが(結婚後も)皇族のままという“姉妹の差”が生じてしまう」(皇室ジャーナリスト)

 加えて、「女性宮家」を巡る議論は、父方に天皇がいる男系男子に皇位継承を限定しない「女性天皇・女系天皇」容認の議論にもつながっていく。前述の時事通信の記事では〈「女性・女系天皇」の議論を先送りする〉とされていたが、2005年の有識者会議報告書では容認とする方向性が打ち出されていた。皇室研究者の高森明勅氏が指摘する。

「女性宮家の創設は、女性天皇、女系天皇の議論とセットで取り組まなければ意味がありません。女性皇族がご結婚で皇室を離れていけば、若い世代の皇族が悠仁親王殿下お一人になってしまう。そして、悠仁親王殿下のお后となる女性は、男子を産まなければ皇室が途絶えてしまうという巨大な重圧に晒されます。

 そういう未来が予見されれば、そもそも皇室に嫁ごうという女性が現われるかもわからない。だからこそ眞子内親王殿下や佳子内親王殿下、愛子内親王殿下のご結婚前に、皇族に残っていただける制度にするとともに、女性天皇・女系天皇の議論を進める必要があります」

「女性天皇」が認められれば今上天皇の長女である愛子内親王が皇位継承権を持つことになり、「女系天皇」が実現するなら“愛子天皇”が結婚して生まれた子供にも皇位継承権が生じる。

「この議論は、愛子内親王殿下と悠仁親王殿下のどちらが天皇になるか、といった属人的な話になりがちですが、あくまでどうすれば安定的に皇位継承ができるルールになるかを考えて議論すべきです」(同前)

 もちろん、皇室の伝統である「男系男子」を維持するべきという立場も根強くある。即位礼正殿の儀の翌日となる10月23日には、自民党の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」が「男系男子」を維持した上で、「旧宮家の男性の皇籍復帰」を可能とする法整備を求める提言を発表。女性宮家創設に「反対」を明言する國學院大學名誉教授の大原康男氏はこういう。

「昭和22年にGHQの経済的圧力によって皇籍を離れた、元皇族の方々がいらっしゃいます。そのような元皇族のご子孫に、再び皇籍を取得していただく。そうすれば宮家を増やすことはできます。小泉内閣の議論があった当時から、安倍首相はそう考えていたし、今も変わっていません」

 秋篠宮家に深く関わる難題は、いずれも簡単に結論が出るものではないが、結論を出すべき期限は迫っている。令和皇室はそんなジレンマを抱えて歩み出した。

※週刊ポスト2019年11月29日号

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