記事

京アニ放火犯の「最先端治療費1000万円」は誰が払うのか


小学校6年生の頃の青葉真司容疑者


放火された京都アニメーションの第1スタジオ(時事通信フォト)

 36人が死亡した京都アニメーション(京都市伏見区)の放火事件から4か月あまり。全身火傷の治療で大阪府狭山市内の大学病院に入院していた青葉真司容疑者の事情聴取が、11月8日に始まった。

【写真】放火された京都アニの第1スタジオ

「一番多くの人が働く第1スタジオを狙った」「どうせ死刑になる」。そう供述しているという青葉容疑者に対し、府警は回復を待って逮捕、取り調べを本格化する方針だ。

 事件直後から意識不明状態が続いていた青葉容疑者は、当初入院していた京都市内の病院から大学病院に転院し、最先端の治療を受けていた(11月14日、京都市内の病院に再転院)。

「大量の輸血、皮膚移植など、高度な集中治療が行なわれてきた。入院費を合わせると1000万円近い治療費が発生しているといわれている」(全国紙記者)

 気になるのは、この治療費は誰が払うのかということ。北村法律事務所の北村明美弁護士が解説する。

「逮捕、勾留後の治療であれば警察、つまり税金で払われますが、逮捕状が出ているだけの段階だと容疑者に支払い義務が生じる。ただ、これは『容疑者に支払い能力がある場合』のみ。なければやはり税金です。青葉容疑者は無職と報道されていますから、支払い能力があるとは考えにくい。よって税金から支出される可能性が高いでしょう」

 仮に青葉容疑者に支払い能力があった場合、自己負担限度額以上の金額が払い戻される『高額療養費制度』などの制度は使えるのか。

「原則として、なんらかの健康保険に加入している人が使用できる制度は、容疑者でも使うことが可能です」(北村弁護士)

 もし治療費が青葉容疑者に請求されても、高額療養費制度が使えれば、自己負担額は月あたり数万円程度になる。「死刑になる」と自ら口にする犯罪者にも優しい日本の医療保険制度に、割り切れない思いを抱く人は少なくないかもしれない。

※週刊ポスト2019年11月29日号

あわせて読みたい

「京都アニメーション」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    マリエの「枕営業」告発が、テレビや新聞で完全スルーされる本当の理由

    PRESIDENT Online

    04月20日 12:19

  2. 2

    日米首脳会談 菅首相訪米の重要性を理解できない野党の残念さ

    城内実

    04月20日 09:09

  3. 3

    「仲介手数料ゼロ」に気をつけて!賃貸契約で損しないための交渉術

    中川寛子

    04月19日 09:08

  4. 4

    TBS『週刊さんまとマツコ』視聴率が取りにくい枠での成功目指す「逆張り」に期待

    メディアゴン

    04月20日 08:36

  5. 5

    スガ首相「要請」を「メドが立った」とすり替える ワクチン確保のお寒い現実

    田中龍作

    04月20日 08:43

  6. 6

    自民党内に“5月下旬に東京都に緊急事態宣言ならオリンピック開催は危うい”との見方も

    ABEMA TIMES

    04月20日 08:32

  7. 7

    ここで出しゃばる財務省?!雇用調整助成金のコロナ特例見直しは正しいけど、財務省から言い出すのは…

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    04月20日 08:19

  8. 8

    9月末までにワクチンのめどがついたのであれば根拠を示すべし

    大串博志

    04月20日 08:24

  9. 9

    "都会より田舎の方が便利"に感じたこと「車で移動できる。駐車場代がかからない」

    キャリコネニュース

    04月20日 09:18

  10. 10

    【読書感想】ニッポン 未完の民主主義-世界が驚く、日本の知られざる無意識と弱点

    fujipon

    04月20日 10:40

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。