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ハロー!?ゴースト ~JAL再上場に思う

新宿武蔵野館で上映している韓国映画「ハロー!?ゴースト」にハマっていてこの8日間で6回鑑賞した。孤独な青年が4人の一風変わったゴーストにとり憑かれて・・・・と、B級コメディのような内容で終盤まで進むが、ラスト10分でまさかの急展開。すでに話の筋が分かっている私も毎回「ずるい!やられた!」と涙腺が一気に崩壊する巧妙なシナリオ。細部に散りばめられた伏線も鮮やかに回収される。すでにハリウッドリメイクが決定したのも頷ける。この上期で見た映画でベストで是非見て頂きたい作品だ。やはり映画は「シナリオ」と「オチ」が肝心なのだと改めて思う。


さて、日本の株式市場で「ハロー!?ゴースト」と皮肉られそうなのがJALの再上場。
日本航空は6月20日、東証に上場申請。上場承認は8月16日、再上場日は9月19日を想定。2010年1月の会社更生法適用申請から、約2年8カ月で株式市場にスピード復帰する。
会社更生法の下で債権放棄(5,215億円)、企業再生支援機構からの出資(3,500億円)を受け、一部機種の完全退役による機種数削減、不採算路線からの撤退、人事賃金制度改定、関連会社再編による航空事業への経営資源集中など、抜本的なリストラも進めた結果、2012年3月期は連結営業利益は2,049億円、経常利益は1,976億円、当期純利益は1,866億円と2期連続で最高益を更新している。確かに見事な復活劇だ。関係者の努力に敬意を表したい。企業再生支援機構からの出資も鮮やかに回収されることだろう。しかしこのスピード再上場劇を見るにつけ、債権放棄の金額など果たして妥当だったのか、など疑問が残るのも事実。


しかも、経常利益と純利益とのバランスを見てお分かりのように、日航は法的整理で多額の繰越欠損金(1兆円以上)を抱え、単体では法人税を払っておらず、税務面で大きなメリットを享受している。
政府は2011年度の税制改正で欠損金を利益と相殺できる期間を従来の7年から9年に延長、さらに更生法適用会社は倒産後7年間、欠損金が全額控除される。日航が10年度の倒産から9年間免除される法人税は4千億円を超すとの試算(日経)もあることを踏まえると、分厚い純利益の積み上げによって財務基盤は徐々に強固になっていくであろう。


強引な見方ではあるが、損益計算書を一本の「映画」と見立てて、「ラスト」を純利益と置くと、「ラスト10分前」というのは、「法人税等の税金費用」に相当するのであろう。
ところが、通常ならかかるはずの税金費用が日航ではかからない。
ライバル・全日空も過去の欠損金があって現在税負担は軽減されているが、その金額は日航との比ではない。
前から分かっていた話ではあるが「ずるい!ラスト直前でやられた!」と思っているに違いない。

あとは月並みではあるが、地道な経営努力を続けて頑張っている全日空が、JALに代わって「ゴースト」にならないよう、政府等の配慮を期待したいところだ。

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