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侍ジャパンにU23チームの新設を提言する - 赤坂英一 (スポーツライター)

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(AP/AFLO)

今年2回目を迎えた野球の国際大会WBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12、決勝は〝宿命の対決〟日本-韓国戦となり、日本が初優勝して大いに盛り上がった。が、東京ドームでこの大会を取材していて、プレミア12も日本代表の侍ジャパンも、そろそろひとつの曲がり角を迎えているのではないかと感じたのも確かである。

稲葉篤紀監督率いる現在のチームは今年のプレミア12、来年の東京オリンピック、再来年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)と3年続けて野球の国際大会に出場する。つまり、〝3年連続世界一〟を目指すわけだ。

しかし、オリンピックの公式競技としての野球、MLBとMLB選手会が共同で設立した団体WBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)が主催するWBCと違って、プレミア12が〝世界一〟を決める大会だと認識しているファンはあまりいないだろう。理由は改めて言うまでもない。世界で最大の野球大国、アメリカからメジャーリーガーのトッププレーヤーがひとりも出場していなかったからだ。

それならオリンピックやWBCも大同小異ではないか、と指摘する声もあろう。が、2015年に発足したばかりでほとんど歴史がなく、スーパーラウンド(決勝リーグ)の開催地も日本だけと最も規模の小さなプレミア12は、五輪やWBCより国際試合としてワンランク落ちる印象が強い。

それでも、侍ジャパンは今回も可能な限り、日本プロ野球を代表する選りすぐりの選手を集めてチームを編成した。西武・秋山翔吾、広島・菊池涼介と、このチームからメジャーリーグへと羽ばたく選手もいる。侍ジャパンは言わば、日本が世界に誇る最高の、もしくはそれに近い実力者ぞろいのエリート集団なのだ。

それほどの代表チームが、アメリカの一流メジャーリーガーのいない大会に出る以上、勝たなければならない。また勝てるはずだ。そういう前提の下で、侍ジャパンはプレミア12に参加した。

だが、2009年の第2回WBC以降、世界一の座から10年間遠ざかっていたことからもわかるように、一発勝負の国際大会では必ずしも〝実力格差〟通りの結果になるとは限らない。勝って当然と期待されるプレッシャーを抱えた侍ジャパンは、そのためにかえって硬くなったりミスを犯したりして、いままでに何度か肝心の試合を落としてきた。

今回、韓国と激突したプレミア12決勝戦も、序盤は先発の山口俊が2本塁打で3点を先制され、満員のスタンドをヒヤリとさせている。恐らく、稲葉監督も相当の精神的重圧を感じていたはず。そういうところに、このエリート集団の抱えたジレンマがあるのだ。

プレミア12でそんな〝見えざる弱点〟が一度だけ現れたのが、東京ドームで行われたスーパーラウンド・アメリカ戦だった。先発のソフトバンク・高橋礼をはじめ、オリックス・山岡泰輔、中日・大野雄大らエース級の投手陣が4点を失い、打線が広島・鈴木誠也、楽天・浅村栄斗ら主砲クラスの打棒で3点を取って追い上げるもあと一歩及ばず、今大会初黒星を喫している。

日本のエリート集団がアメリカのエリートがひとりもいない集団に敗れたわけだ。これが一発勝負の国際大会の怖さである。

そのアメリカにはメジャーの一流どころがいない代わり、大変将来性豊かな若手有望株、いわゆる「プロスペクト」と呼ばれる選手が名を連ねていた。選手28人のうちMLB公式サイトのプロスペクト・トップ100から7人(うち4人が上位50位以内)を選出。その顔ぶれがなかなかの〝金の卵〟ぞろいなのだ。

まず、このプロスペクト・ランキング5位のジョー・アデル外野手(20歳)は2017年のドラフト1位でロサンゼルス・エンゼルスに入団。打撃の技術、パワー、センスは日本人のチームメート・大谷翔平にも引けを取らないという。またシカゴ・ホワイトソックス傘下のアンドリュー・ボーン内野手(21歳)は今年のドラフト3位、フィラデルフィア・フィリーズ傘下のアレク・ボーム内野手(23歳)は昨年のドラフト3位で指名された上位指名組の逸材。さらに、アトランタ・ブレーブス傘下のドリュー・ウォーターズ外野手(20歳)、オークランド・アスレチックス傘下のマーク・ペイトン外野手(27歳)もMLBでは高く評価されている。

そうしたプロスペクトの中で最も際立ったプレーを見せていたのがジョー・アデルだ。日本戦では第2打席で四球を選んだ選球眼、第3打席で内野安打を稼げる足を披露。さらに、3-2と1点のリードで七回の第4打席、中日・大野から試合を決定づけるホームランを放った。

アデルは試合後、「日本の投手は内角への速球、外角への緩い変化球で勝負してくる。そういう傾向を頭に入れて狙い球を絞った」とコメント。日本投手陣のデータ分析と対策にも抜かりはなかったことを強調し、優れた野球脳の持ち主であることも印象づけた。

また、日本と優勝を争った韓国も、高卒3年目までの成長株を4人選んでいた。中でも、決勝の前日、スーパーラウンド最終戦の日本戦でタイムリーヒット2本、2打点を挙げた姜白虎(カン・ベクホ=高卒2年目、20歳)が目を引いた。姜は2017年秋のドラフト1巡目でソウル高校からKTウィズに入団し、1年目の翌18年から活躍して日本の新人王に当たるルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。今季も打率3割3分6厘、13本塁打、65打点という好成績を残している。

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