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「後は野となれ山となれ」:IOCは五輪後の東京の面倒はみない

 IOCによって、東京五輪のマラソンと競歩の会場が札幌に変更され、日本に衝撃が走ったが、それだけで驚いてはならない。五輪が終了したら、どのような負の遺産が残ろうが、IOCは関心もなければ、もちろんアフターケアなどは一切しない。

 五輪後に競技施設をどう運営するかは大きな問題であり、全競技施設の五輪後の運営方針を再点検すべきである。いずれの五輪開催都市も、五輪後に苦労しているからである。

 2016年に五輪を開催したリオデジャネイロでは、多くの施設が荒廃している。2008年の北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」は、採算をとるのに苦労している。また、使われていない施設もある。2004年五輪のアテネは、ほとんどの施設が見る影もなく廃墟となっている。

 そのような中で、2012年の五輪開催都市ロンドンは、比較的に上手く五輪後の運営を行っている。

 ロンドンは、かつて廃棄物の処理場であった東部地域をオリンピック会場として開発した。ここには選手村、メインスタジアム、水泳競技場、自転車競技場などの競技施設が揃っている。

 私は、その状況を2014年秋に視察したが、多くの競技場が、平日にもかかわらず市民に利用され、活気に溢れていた。

 メインスタジアムは、観客席を減らす改修工事中であった。また、メディアセンターも視察したが、これもスタジオ、大学、オフィスなどに改修中であった。

 また、選手村が住居へと変貌している様も見ることができたし、広大な空間を住宅やオフィスビルへと転換していく計画についても説明してもらった。

 要するに、設計段階から、大会後の利用計画をしっかりと組み入れることがいかに重要かということである。

 そのことを念頭に置いて、私は都知事時代に必要な措置をとっておいた。

新設6施設の五輪後の年間の収支予想と来場者目標を見ると、①東京アクアティクスセンターが6億3800万円の赤字、100万人②海の森水上競技場が1億5800万円の赤字、35万人、③有明アリーナが3億5600万円の黒字、140万人④カヌー・スラローム会場が1億8600万円の赤字、10万人⑤大井ホッケー競技場が9200万円の赤字、20万人⑥アーチェリー会場が1200万円の赤字、3万3000人となっている。黒字は③のみであるが、それはコンサートなどのイベントができるからである。

 競技施設の五輪後の運営については、まずは、様々な工夫をして収益力を上げることである。プロ野球観戦で各地の野球場に行くと、飲食品、野球グッズなどが販売されていて、稼ぎを増やしている。競技施設は人が集まる場所なので、十分なビジネスチャンスがある。

 スポーツは国民の健康に資する。つまり、社会全体の医療費を減少させるので、国民が競技施設を利用するときに税金を投入する理由はあるのである。この点を、国や東京都はもっと強調してよい。

 2020東京五輪が、リオデジャネイロやアテネの轍を踏むことなく、大会後に素晴らしいプラスの遺産を残すように、組織委、東京都、国の責任者の努力を期待したい。 

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