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【日米貿易協定シリーズ1】 日米貿易交渉史上最悪のやられっぱなし交渉 - 日本は農産物関税を譲り、アメリカは自動車を譲らずトランプの意のまま

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<2年振りの質問>

 11月13日水曜日、外務委員会で日米貿易交渉について2年ぶりの質問をした。一年半に及び質問のできない懲罰委員長をやっていたので本当に久方ぶりである。私は外務委員会に4年4回所属していたが、さる事情によりこのところ外務委員会に所属することはなかったため、ほとんど質問をしてこなかった。

いわゆる差し替えにより質問をしてほしいということで、元々は前の週にやることになっていたが、岡田元代表が資料提出がないという理由で審議拒否をして中断、空回しをやっていたものが復帰し、私の順番が回ってきた。

 前回は30分だったが、外務委員でもないのに待たされた上に今回2回目で、せっかくなのだからもう少し時間をほしいと言ったが、聞き入れられず30分間の質問であった。委員会前のエレベーターの中で茂木外務大臣と会った際に「3時間分用意したんですけどね」とジョークを言っておいた。その質問を皆さんに紹介しておきたいと思う。日米貿易協定は非常に大事だからである。数回連続して報告する。

<交渉の名称を意図的に変える政府>

 そもそも日本は日米FTAはやらないと言ってきた。従って名前は「TAG:Trade Agreement on goods(日米物品貿易協定)」と言い誤魔化していた。内閣の経済再生担当大臣で、交渉担当をしていた茂木外相がライトハイザー通商代表との間で「Talks for Free, Fair and Reciprocal Trade Deals:FFR(自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議)」と言っていた時もあった。

アメリカでは最初から「日米FTA」と言われていたが、そのうち日本では「日米貿易協定」と言い出し始めた。しかし、私は敢えて政府の嫌がる「日米FTA」で貫き通した。政府が名前を変えて見えすいた嘘をついているのが許し難いからだ。

<やられっぱなしの交渉>

 そもそもTPPの約束から始まるべき交渉であった(「交渉の立ち位置」参照)。つまり日本のセンシティブ品目、米や牛肉という農産物である。アメリカのセンシティブ品目である自動車部品等について18年9月に交渉をしようという約束事をしている。ところが結果はどうか。ウィンウィンの関係だと言っているが、まったくの嘘っぱちで「やられっぱなし交渉」である。これが日本農業新聞の「篠原節さく裂」という私の質問の記事のサブタイトルに使われている。

TPPでは現行38.5%の関税を、発効一年目に27.5%まで削減し、その後毎年引き下げて10年目に20%、16年目以降は9%、そしてセーフガード等についても色々取り決められていて、そのまま引き継ぐ形となった。

 細かいことだが、セーフガードは遅く交渉したアメリカに有利になってしまい、日本にとっては相当不利になってきている。ここは不条理だが、多くの者が把握しているので私は触れなかった。

<突如登場した通商拡大法232条の安全保障を理由とした報復関税>

 日本がもっぱらTPPと同じ約束をさせられたのに、アメリカの自動車及び自動車部品の税率2.5%はそのままで、いつ削減されいつ撤廃されるかという明確な約束なしの協定ができあがってしまった。全く屈辱的であり、よく言われる安保協定と逆なのだ。

 昨年5月、トランプ大統領は商務省に通商拡大法232条の経済安全保障上の驚異に当たるかを検討させ始め、今年の2月に「脅かされている」という報告書が出された。そしてこの通商拡大法232条を理由とし、安全保障を損なう場合の追加関税25%というのを常にチラつかせていた。日本に対してだけではなく、EUや中国に対しても同じである。中国との間では米中貿易戦争で25%、あるいはそれ以上の関税を中国がかけたりし、報復合戦をしている。

<アメリカの農民の勝利は日本の農民の敗北>

 情けないことに、日本が報復関税を避けられたこと、つまり25%の追加関税が課せられなかったことを「ウィン(勝利)だ」と言っているのである。

それに対してトランプ大統領は「今回の交渉はアメリカ農民の勝利である」と言い切っている。その通りである。裏を返せば日本の農民の全面的な大敗北ということだ。長い間日米貿易交渉を見てきたが、これほど屈辱的な負け方はない。それを糊塗するために共同声明で「声明の精神に反する行動は取らない。(つまり25%の追加関税を課さない)」などという言葉でお茶を濁している。

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