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武蔵野市のICT活用は進むか?

 武蔵野市は、第六次情報化推進計画を現在策定中で、中間のまとめについて11月14日の総務委員会に行政報告があった。ICTは情報伝達、業務効率化などに効果的で市民生活もより便利になると考えるが、積極的に活用しようとの意識は、今ひとつに思えてならない。



■ICT活用が求められている

 国の動向として自治体戦略2040構想がつくられ、「今後、ICTの利用によって処理できる業務はできる限りICTを利用するというICTの活用を前提とした自治体行政を展開する必要がある」と書かれている。
 先に審議した武蔵野市の最上位計画である第六期長期計画案にも、「ICTを活用した業務効率化を推進する」「ICTを利用した市民サービスの拡大に積極的に取り組む」などと書かれている。

 この状況で第六次となる総合情報化基本計画が策定され、中間のまとめが報告された。 そこには、基本目標として「総合的な市政情報の提供」「ICTを活用した市民サービスの活用」「ICTの活用による事務効率化」を掲げやろうとしている施策をまとめている。

 だが、ごく当たり前のことが書かれ、基本計画がだから仕方ないのかもしれないが、具体的に何をするのかがさっぱり分からない内容だった。

■全国1265位の児童生徒のPC一台あたりの児童生徒数

 文部科学省は、「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」で、全国の自治体別公立学校の「ICT環境の整備状況」を調査している。

 平成30年度調査結果を見ると「普通教室の無線LAN整備率」と「インターネット接続率(30Mbbs以上)では、100%の設置で1位となっているのだが(1位は山ほどあるので、さほど優れてはいない)、「教育用コンピュータ1台当たリの児童生徒数」では、一台あたり5.9人で1816自治体の1265位という寂しい順位となっている。

 平均は5.4人なので、普通の状態とも言え、東京都内の自治体で比較した図を見ると、周辺自治体との大きな差はないとは言えるが、けっして先進的ではないことは分かる。



■高齢者が使えないのだろうか?
 ICTについては、高齢者が使えない、資料は紙が基本、金がかかるなどの意見は根強く、委員会でも同様の趣旨の発言があった。
 少数者への配慮は必要であり情報へのアクセスは保障するのは当然としても、今ある技術、それも多数が利用しているものをさらに積極的に使うことを進めるべきではないだろうか。





 図は、この計画の策定にあたって行った市民アンケートから年代別のパソコンとスマートフォンの使用割合が出されている。ここには、全体の数からすれば割合が高いとは言えないかもしれないが、60歳以上、70歳以上で急激にスマートフォンの利用が増えていることが分かる。
 いわゆるガラケーの機種が少なくなり携帯電話の選択肢が狭くなった状況もあるとは思うが、高齢者だから使わないという状況ではなくなってきていることも分かる。
 事実、すべての機能を使いこなしてはいなくても、日常的に使っている人は少なくない。

 と考えると、全員が使えないのだから進めない。ICTは」信用ならないなど感覚的な抵抗が強いように思えてならない。

■外部人材

 今や、あれこれ理由を考えている間に時代も技術も進化していき、そのスピードは思っている以上に速い。考えている場合ではなく、さっさと進めることが必要だ。市職員にノウハウがないというのなら外部の専門家にアドバイスを求めて進めることでもいい。

 外部人材を活用するのは東京都が副知事に元ヤフー社長の宮坂学副知事を任命し、ICT2年間の任期付き課長職を10人採用することが知られているが(日本経済新聞都、ICT人材の課長職を募集 任期2年間 2019/10/4)、大きな自治体ではなく、福島県磐梯町でもCDO(Chief Digital Officer、最高デジタル責任者)を設けている。
 その理由は、外部の人材を活用し職員の意識啓発と庁内の組織体制の整備、全ての町民が人に優しいテクノロジーの恩恵を受けられる環境の整備を進めていくためだという(時事ドットコムニュース/【全国初】福島県磐梯町がCDO(最高デジタル責任者)を設置します。2019/11/01

 第六期長期計画には、「課題に的確に対応できる人材の確保と育成の強化」の項目があり、『特定分野に配置しているエキスパート(長期的専任職)の専任分野の拡大』と書かれている。長期計画の審議のさい、職員のスキルアップも必要だが技術のスピードが速いこともありICT分野でも外部人材を活用すべきと質問したところ、具体的な待遇などはまだだが、これまでにも事例があるので検討したいと答弁していた。期待をしたい。

 他にも、総務省が『新しい国立公文書館が開館する予定の2026年度をメドに、公文書の作成から移管まで全て電子化する目標を示した』(日本経済新聞「公文書管理、全面電子化へ 政府 26年度メド 2019/3/18)ようにこれからは電子化された「文書」が基本、必要があるときにプリントアウトになるに違いない。
 電子化された「文書」となれば、公文書館という施設がどこまで必要か?ともなり、文書を持って庁内を動き回ることもなくなっていくのだろう。

 このことだけでなく、ICT技術の進歩は想像以上に早い。5G対応をどうするかと話し合っている間に中国では6Gの研究を始めているほどだ(Reuters/中国、次々世代通信技術「6G」の調査研究を開始 2019年11月7日)。ICTはすでにインフラでもある。対応は今以上に早くすべきだ。

【参考】
文部科学省 平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果
上記の東京都版(速報値) 図はここから引用

武蔵野市第六期長期計画案


2019年11月14日総務_第六次情報化基本計画策定にあたっての市民アンケート結果.pdf
2019年11月14日総務_第六次情報化基本計画案.pdf

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