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「慰問」と「頑張ろう三唱」の距離

被災地に訪れた陛下と皇后が、膝をつかれ、また正座され、被災者の人たちと目線をあわせて、ひとりひとり話を聞かれた姿と、先日被災地に訪れ、頑張ろう三唱で拳を突き上げた菅総理の対照的な姿が気になりました。

人がほんとうにつらいときに頑張ろうと励ますことがいいとは限りません。励ますと対照的なのは慰めるでしょうが、寄り添い、話を聞くことが、励ましにも慰めにもなることがあります。陛下と皇后はこのことをよくご理解されているのでしょう。

ところで、菅総理が頑張ろう三唱をやったのはどういう気持だったのでしょう。突き上げた拳ってどこに向かっていたのでしょう。誰を倒そうとしていたのか、誰に頑張ろうと呼びかけていたのかよくわかりません。それよりは、せっかく現地入りしたのなら、苦労している現場の人たちをねぎらい、耳を傾け、なにか出来ることはないかとか、よろしく頼みますとお願いするほうが、ハートフルだし、士気もあがると思うのですが、どうなんでしょうね。

被災地と比べれば恵まれた場所からやってきた人が、真横で頑張ろう三唱をしたら、なかには「バカヤロウ」って反感を持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか。

あの拳を突きあげての頑張ろう三唱にはいつも違和感を感じさせられます。そういえば、頑張ろう三唱が政治家の人は好きです。政治は、対立候補を倒すのだから、きっと拳は対立候補にむけられているのでしょう。
神奈川県知事に当選した黒岩さんも当選して万歳三唱をするわけにもいかず、頑張ろう三唱をやったそうです。

拳を突き上げ頑張ろうというのはいつごろから生まれたのか、ネットで検索してもわからなかったのですが、どうしても、この年齢だとかつての炭鉱での労働争議が浮かんできます。「がんばろう」を歌い、最後に拳を突き上げるシーンです。学生の頃にもよく歌い覚えました。
がんばろう つきあげる空に
くろがねの男の拳がある
燃えあがる女の拳がある
闘いはここから 闘いはいまから

がんばろう 歌詞 :

だから自民党の人たちが、頑張ろう三唱をする姿には戸惑うのですが、違ったルーツがあるのかもしれません。戦国時代なら、「エイエイオー」の勝どきがありましたが、ほんとうに不思議な頑張ろう三唱です。

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