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オリンピック 選手村だけ喫煙OKのナゾ

菅総理爆誕の予感あり

プレジデント誌2019.10.4号の『「人間の器」を広げる1冊』特集の表紙と巻頭インタビューが菅義偉官房長官だったことが、永田町、霞が関で話題になっている。菅長官が紹介した本(吉川英治著『三国志』、堺屋太一著『豊臣秀長』、コリン・パウエル著『リーダーを目指す人の心得』)は、書店で売り切れが続出していると聞いた。

PRESIDENT 2019年10月4日号『「人間の器」を広げる1冊』

長官の写真も、緊張感がみなぎっていた「令和」の元号発表のときよりも自然な笑顔で、菅長官の魅力的な人柄がよく表れていると思う。私はかねて「ポスト安倍は、菅官房長官しかいない」と言ってきたが、ますます注目度が高まってきたようだ。近い将来、プレジデントは「菅総理」を最初に表紙に取り上げた雑誌として話題になるはずだ。

9月11日の第4次安倍第2次改造内閣の組閣でも存分に存在感を示した菅長官は、今の永田町で最も忙しい政治家の一人であることは間違いない。

私も今回の内閣改造については心配すること、準備しておくべきことが多く、8月末から目が回りそうに忙しくなった。はっきり言って寝不足だ。いつもならこれくらいの忙しさは大したことはないのだが、体に力が入らず、頭がぼんやりする。間違いなく春からの禁煙の悪い影響が出てしまっている。

私は、今年、首相官邸が館内全面禁煙となったことを契機に、禁煙にチャレンジしてみたが、毎日が本当につらかった。このままタバコを吸えなければストレスで倒れると何度も思った。周囲からは顔色が悪いと言われた。

74歳の今日まで何十年間、1日60本も吸っていた人間が急にやめるとかえってよくないのかもしれない。そこで紙巻きタバコがダメなら、せめて加熱式タバコを吸ってみようといろいろな製品を試した。それこそアメリカの電子タバコもモノは試しと個人輸入してみた。

全部試してみてわかったが、「プルームテック」はよくできていて匂いもない。これなら飛行機で吸ってもバレないのではないかという悪い考えすらよぎるほどだ。これを紙巻きと一緒くたにする禁煙運動はやはり行きすぎと言わざるをえない。とは言うものの、蒸気の煙では紙巻きと比べて物足りず、ストレスはたまる一方だった。

私にとってタバコは仕事の必需品である。暇なときなら禁煙とやらに挑戦する余裕があったが、忙しくなるとタバコを吸わないとやっていられない。完全に引退して、ストレスも何もなくなったら、もう一度、禁煙に挑戦してみようと思う。

今回の内閣改造の直後、私はタバコをやめるのをやめた。

やはりタバコはいい。体調は戻り、頭のキレもよくなってきた。私のような超ヘビースモーカーにとっては、吸わないと精神衛生上に悪影響を及ぼすと実感した。

私の職場である首相官邸もそうだが、2019年7月に施行された改正健康法で原則屋内禁煙と定められたことから、タバコを吸えない。そんな建物が増えている。そして、数少ない残されたオアシスである屋外の喫煙所もどんどん閉鎖されている。愛煙家にとっては死活問題である。これらは東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての措置であることはいうまでもない。

何がスモークフリーだ、笑わせるな

国際オリンピック委員会(IOC)が禁煙を推奨していることは事実でる。1988年のカルガリー冬季五輪以降、「すべての大会関係者の健康と安全を守るため、スモークフリー環境とする、ノースモーキングポリシー(禁煙方針)は公衆衛生のレガシーの観点からも重要である」という禁煙方針を採択した。その後、2010年には世界保健機関(WHO)と協定を結んで「タバコのない五輪」を推進している。近年の夏季五輪は、競技会場の建物内での禁煙だけだったが、東京の組織委員会は競技会場の敷地内では建物外でも喫煙所を設けない「全面禁煙」とする方針を公表している。禁煙と定められた場所では、紙巻きタバコだけではなく、加熱式も禁止。愛煙家はオリンピックを観戦してはいけないと言われているようなものだ。

今回の東京と同様に、敷地内全面禁煙とした18年の平昌冬期オリンピックでは会場周辺の喫煙所以外の場所でタバコを吸う人が続出した。路上喫煙する人がポイ捨てした吸い殻が街にあふれて、大会後に組織委員会が問題視したほどだった。

選手村に喫煙所が必要なのか

国内でも厳しい禁煙対策の影響で、路上喫煙が増えた例が報告されている。大学は改正健康法で構内禁煙が義務化されたが、先行して喫煙所を撤去した一部の大学の周辺でポイ捨てが増加した。敷地内禁煙を強化すると、違法な敷地外喫煙が増加するのである。

禁煙にしたら路上のポイ捨てが増えるのだ。どう考えても分煙にして施設を整えたほうがよい。

タバコ禁止に漂う偽善臭/タバコのないオリンピックを標榜しながら、肝心な選手村は喫煙が可能。さらには「競技場内にも選手用の喫煙所ができるかもしれない」と飯島氏。「五輪は偽善の祭典ではないはずだ」。写真=時事通信フォト

有害物質を発生させているのは、タバコだけではない。車だって、工場だって、炭火焼肉だって、誕生日ケーキのローソクだって、線香だって、有害物質を発生させているのである。非現実的なタバコ撲滅よりも、分煙にしたほうがよいではないか。

そんな東京オリンピックに対して、9月20日に開幕したラグビーワールドカップは会場ごとに喫煙所が設置されており、実に良心的だ。「文化が違う国の人たちに吸い殻をポイ捨てされても困るので、喫煙所は必要」という開催地の自治体や、「タバコを吸わない人に配慮したうえで必要な分煙措置を準備し、周知徹底したい」という組織委の担当者の言い分は理にかなっていると思う。これによって路上のポイ捨てが減るのは喜ばしいことだ。

オリンピック・パラリンピック組織委、小池百合子東京都知事の対応は矛盾が多い。「全面禁煙」と言いながら、喫煙が許されている重要設備がある。選手村だ。

最もコンディションに配慮しているであろうアスリートが集まる選手村に喫煙所が必要なのかという疑問があるかもしれないが、タバコを吸う選手は意外に多い。体操個人総合で2大会連続金メダルを獲得した選手や、サッカーの世界的な大スター、メッシ選手もタバコを吸っている。タバコは運動能力を妨げると喧伝されているが、吸っているからこそ世界の頂点を極める人間だっているのだ。私のようにタバコがないと調子が出ない選手もたくさんいる。「選手村はタバコOK」というのは、IOCも東京都も「タバコがオリンピックアスリートへ、よい影響を与えている」と認めた形だ。観客に禁煙を強いる一方で競技場の見えない場所には「選手のための喫煙所」がつくられるのは間違いない。IOCと小池知事の二枚舌がよくわかるエピソードだ。

世界のトップクラスのアスリートだけでなく、世界各国の首脳も、ビジネスリーダーも、皆、タバコを吸っている。禁煙ファシズムが宣伝する「(タバコは)百害あって一利なし」というのは、ウソなのだ。

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飯島 勲(いいじま・いさお)
内閣参与(特命担当)
1945年、長野県辰野町生まれ。小泉純一郎元総理首席秘書官。現在、内閣参与(特命担当)、松本歯科大学特命教授、ウガンダ共和国政府顧問、シエラレオネ共和国名誉総領事、コソボ共和国名誉総領事。
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(内閣参与(特命担当) 飯島 勲)

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