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日本新聞協会の秋山耿太郎会長、白石興二郎副会長が、「新聞・書籍に消費増税しないように」と身勝手な要求

◆「そりゃないぜ、ベイビー」という感じなのが、一般社団法人「日本新聞協会」(東京都千代田区内幸町2-2-1、会員132社=新聞105社、通信4社、放送23社)の秋山耿太郎会長(朝日新聞社長)、白石興二郎副会長(読売新聞グループ本社代表取締役社長)である。社説などでさんざん消費税増税を煽っていながら、「新聞・書籍に軽減税率を導入して、現行税率を維持して欲しい」と野田佳彦政権や国会に求めているという。誠に都合のいい身勝手な要求である。

 これに応じているのが、超党派の国会議員で作る「活字文化議員連盟」(会長・山岡賢次元国家公安委員長=民主党副代表、会員155人)だ。「現行税率の維持を求める声明」(6月20日の総会=国会内)を採択している。

 読売新聞は6月21日付け朝刊の「総合面」(2面)で「『新聞・書籍 現行税率で』活字文化議員連盟が声明」という見出しをつけた記事のなかで、総会に出席した秋山耿太郎会長(朝日新聞社長)、白石興二郎副会長(読売新聞グループ本社代表取締役社長)の発言を、次のように報じている。 
 「新聞、出版関係者も出席し、日本新聞協会会長の秋山耿太郎朝日新聞社長は『軽減税率を導入していただきたい。国の力を衰退させ、国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない』と述べ、協会副会長の白石興二郎読売新聞グループ本社代表取締役社長は『新聞は日本の文化にとってコメであると改めて訴えたい』と述べた」
 また、時事通信社jijicomが6月21日午後4時48分、「活字文化議連の声明要旨」を以下のように配信している。
 「国民の『知る権利』と議会制民主主義を支え、日本の活字文化保持の中枢の役割を果たしてきた新聞および書籍の公共性は極めて高い。しかるに、新聞・書籍に対する消費税率引き上げは、国民の活字離れを加速させ、これからの日本を支える人づくりはもちろん、地域づくりや国づくりにも悪影響を及ぼしかねない。フランスやドイツなど欧州各国では、食料品とともに新聞や書籍の税率をゼロ税率としたり、標準税率よりも低い税率を適用したりしている。新聞や出版物を民主主義のインフラとみなし、『知識課税は避ける』という理念と伝統を持つ欧州の事例は大いに参考にすべきだ。新聞や書籍の税率引き上げは文字・活字文化振興法の趣旨にも背く。日本の文化と民主主義の基盤を守るため、新聞および出版物の消費税率引き上げには断固として反対し、現行税率の維持を求める」
 新聞購読者としては、消費税の税率が「現行5%→8%→10%にアップ」されるのは、うれしくない。事実上の値上げとなるからある。

 だが、新聞がいかに「生活必需品」であるからと言って、丸で財務省の政府広報、チンドンであるかのように消費税増税を盛んに煽り立ててきた新聞社の業界団体である日本新聞協会が真っ先駆けて、「新聞・雑誌だけは例外にして欲しい」というのは、フェアではなく、大変違和感を感じる。

 購読者の立場では、「消費税増税分を購読者に転嫁して欲しくないし、現行の購読料(新聞代)を維持して、消費税アップ分は、値下げでカバーすべきだ」と要求したい。消費税アップで購読料(新聞代)が高くなれば、購読者は確実に減る。それでなくても、近ごろでは、「新聞は読まない」という若者が急増している。ビジネスマン、サラリーマンの間では、「仕事に必要な日経新聞以外は読まない」「値段が安くて内容が面白い東京新聞は取っても、ほかの新聞は取らない」というように、全国紙離れ、一般紙離れが急速に進んでいる。インターネット、携帯でニュースをいくらでも読むことができるからだ。ネット社会での「紙媒体離れ」は、凄まじい。

◆日本新聞協会の秋山耿太郎会長は4月23日、岡田克也副総理が、政府機関のコスト削減策の一環として、新聞や雑誌などの定期刊行物の購読部数を大幅に減らす方針を打ち出したときも、「まことに遺憾」などとする意見書を行政改革実行本部長の野田佳彦首相宛に提出し、都合のいい身勝手なことを言っていた。

岡田克也副総理は3月6日の会見で、「新聞、雑誌で1億4,500万。(内閣府だけで)それだけ年間払っているということについて、非常に違和感を持たれる国民のほうが多いのではないか」と新聞や雑誌などの定期刊行物の購読削減策を打ち出していた。4月3日の記者会見では、各省庁にも削減を指示したことを明らかにした。このなかで、岡田克也副総理は、「11年度の中央官庁での定期刊行物の購読費用は13億2,252万円で、12年度はこれを金額ベースで30.5%カットする。4億344万円が浮く計算だ。部数ベースでは、35%の削減だ。この4億円は霞ヶ関の本省での削減分で、今後、地方の出先機関でも削減を進めていく方針だ」と述べていた。

 新聞各紙は社説や解説などで、政府に行財政改革の推進を強く求め、公務員もコスト意識を持つ必要があり、徹底した経費節減に努めるよう提言してきた。ところが、その矛先が自分たちの身に向けられると、業界団体の利益を剥き出しにして、途端に圧力団体に早帰りし、抵抗し始めるのである。これを都合のいい身勝手と言わないで何と言えばよいのか。原理主義者の岡田克也副総理は「過剰かどうかということで判断しているので、『いらない』と言っているわけではない。これだけ沢山とっているものを適正な規模にすることが『民意を把握しないことにつながる』というふうには、私は考えていない」などと反論し、

秋山耿太郎会長の抗議を蹴散らしている。本来、「反権力」の立場で「社会の木鐸」の務めを果たさなくてはならない新聞人としては、政府の予算にタカリを働いて楽に儲けようという意図がミエミエで、実にみっともない限りだ。恥を知れ!

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